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文具専門誌『趣味の文具箱』で、星野桂先生のコラムが連載開始です。

というわけで、待望の51号[特集:万年筆インクが大好き!]が本日発売されました。(私は電子版のAmazonkindleから拝見)
数日前のインスタ報告で、星野先生が小菅担当氏から「書きすぎ!! コワイ!」との御感想を頂いたという原稿の全貌がようやく明らかに(笑)


● 新連載「ホシノカツラの文具LIFE」

今回は 前号の手帳特集の時のような「D.Gray-man」に関わる内容は(著者経歴の所以外)一切なく 掲載も1ページのみですが、限られたスペースを星野先生の手書き文字とイラストが埋め尽くし なかなかの壮観です。
まず表紙の次に(雑誌でも電子版でも)綴込み付録のインクカタログが出てきますが、星野先生のコラムはその後すぐ。 左下隅にはページが“001”と振ってありまして、雑誌でこの「巻頭」扱いは嬉しいところ💛

こうした文具コラムを拝見するのは『季刊エス60号』以来2度目ですね。 あちらの題材が鉛筆とボールペンだったのに対し今度はテーマが万年筆とあって、力の入り方も格別です。
イラストもよりカラフルかつ繊細で、万年筆や革の収納ケースの質感っったら素晴らしく、コレクションへの愛が絵だけでもストレートに伝わってきます。 星野先生の目には、お気に入りの子達がこんなに綺麗に映っているんですねぇ♡(*´ω`)
スーベレーンの緑縞やプラチナセンチュリーの鼈甲柄も、旧インスタアカウント当時の興奮を思い出して懐かしく拝見しました。

そして何よりこの1ページに、文字・イラストの配置や字体,サイズ選びなど読者に「訴える」ための工夫が凝縮されていました…
すごい!! ほんとに色々勉強になります。
次回も楽しみにさせて頂きますね!

(余談ですが お布団でバンザイ体勢で寝ている先生のイラストにとても親近感を覚えた私(^^;)


その他の記事も内容盛り沢山で ざっと見るだけでも楽しいものでした。
個人的に特に面白かったのは
● ポルノグラフィティ・新藤晴一氏の万年筆語りと作詞メモ(ミュージックアワー/Mugen/メリッサ)
--- 記事は、前号で「手描きっていいね!」特集を担当された小日向氏
● 紙色×インク色の相性チェック
ですかね。

あと、忘れちゃいけない今号の目玉・綴込み付録も。
● 「ペン&インクブランド 万年筆インクカタログ」 と 「ショップオリジナル 万年筆インクカタログ」

文具好きといってもライト層の私は電子版閲覧で十分楽しめましたが、こちらに特に関心をお持ちでしたら雑誌版をお勧めします。
ポスター形式で蛇腹折りになっていまして、横にとても長くなっています。
電子版も中身的には省略はないと思いますが、扱いの点で とにかく見づらい…! 
題材がインクだけに「色」表現は肝ですが、これも印刷物の方が忠実に出ますしね。



今回 読者プレゼントへの応募は、雑誌の綴込みアンケート葉書からのみ。
また、2019年の「ペン・オブ・ザ・イヤー(定番部門&新作部門)」の募集もアンケート葉書で実施中。 こちらに当選されますと選んだモデルの読者モニターになれるとか。
ちなみに2018年の定番部門一位は 星野先生のコラムにも登場している「(ペリカン)スーベレーンM800」だそうです^^


次号52号は12月6日(金)発売予定。 特集「われら絶対!万年筆主義」
もちろん、星野先生のコラム第2回も掲載予定です。


「D.Gray-man」一辺倒の私にとって、連載がちゃんと続いているとはいえ続きを待つのに3カ月はちょっと長いかな?と思う時もありますが、こちらの雑誌でも星野先生の著作が読めることになって本当に嬉しいですね。
たまたまでしょうが、『趣味の文具箱』も季刊で、しかも『SQ.RISE』発売の前月5日発売ということは 大体Dグレ連載周期のちょうど真ん中へん(=ひと月半のズレ)に当たるんですよ。 ちょう助かるww

ちなみに『趣味の文具箱』っていつ頃創刊されたのか?と見てみたら第1号は2004年発売でした。 
おお、これはDグレ開始yearですね。 なんだかんだと御縁を感じて勝手に喜んでおります。 

「ホシノカツラの文具LIFE」、これからも末永く続きますように。


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『ジャンプSQ.2019年10月号』(電子版)定例報告。

● RISE新人漫画賞

今月は、星野桂先生が審査を担当された 7月期・RISE新人漫画賞の結果発表がありました。
掲載内容はSQ.公式サイトにも出ていますので、本誌をお持ちでない方もぜひご覧ください。
※各作品についた小見出し 「星野先生のアドバイス」(SQ.誌面)が なぜか公式サイトの方は「審査員のアドバイス」になっていますが、文面は同じですので念のため。

初投稿のコンビが佳作受賞!! &18歳新鋭2名に審査員特別賞&編集部特別賞出る!!
4か月ぶりに佳作デビュー決定&2人の18歳が特別賞を獲得!! ライズ漫画賞は経験不問!老若男女からの作品の応募をお待ちしています!!

星野先生からの総評
「作品を構成する要素がバラバラで、前フリなく展開していて唐突な印象の作品が多かったです(『太郎の鬼退治』はよくできていました)。ネームを描く前に内容を整理しましょう。今回はデジタル原稿(仕上げ)が増えましたが、印刷に不向きな使い方をされてるようにもみえます。デジタル作画の知識も同時に勉強しましょう。」



● 巻末コメント

『ダークギャザリング』を連載中の近藤憲一先生から
「先日、星野桂先生と対談する機会をいただきました。星野先生、貴重なお話ありがとうございました…!」
とありました。 詳細はいずれどこかのインタビュー記事で見れそうですね。

※ 追記 (9/4 14:30)
本日午後、近藤先生のツイートでこの件につき触れられていました。

来月の『SQ.』に対談記事ですか♥ 楽しみにしています! 


あと、『プラチナエンド』の大場つぐみ先生のダイマがウケましたww
「小畑健展素晴らしかったです。9月14日から新潟ですが、Q.10月からグッズ高くなるのか?A.消費税増税で高くなります。」

近くの方はお楽しみに。


今月号はこんなところで。 
10月発売『SQ.RISE 秋号』の予告はまだありません。

次号『SQ.11月号』の発売は10月4日(金)予定です。


それではまた。




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第233夜「A.Wに別れを告げる・The way of the Three」③

◇ 少年と犬

とある雪がちらつく晩のこと。 
サーカスが一日の公演を終えた後で、退屈した団員2,3人に囲まれ 小さなアレンはまたいじめられていた。
酔っ払ったコジモが彼に馬乗りになって体を押さえつけ、悪友達はその赤くただれた腕を見て気味悪がり大騒ぎ。
コジモはその後も アレンに「同じ買われた者同士~」となれなれしく絡んでみたり、安酒をラッパ飲みしながら 自分は「こんな所」にはふさわしくない貴族の血を引いているのに、とわめき散らすなどしていた。

その場をようやく解放されたアレンが厨房に行くと、また理不尽な暴力が彼を待っていた。
コックは もうおまえの飯なんかないと汁椀を投げつけ、彼は空きっ腹のままライオンの餌やりを強要された。

重いカートを押していく途中でとうとうアレンはへたりこんでしまうが、ふとその脳裏に、さっきのコジモの醜態が浮かんできた。
己の不遇をかこちながら、そのうっぷん晴らしで時間をつぶし 日々堕ちていくばかりのダメな大人。

--- はっ弱い奴… オレは違う   いつか絶対自分の居場所をみつけてやる ---

力を込めて立ち上がろうとした時 ふと脇を見やった彼の目は、あの流れ者のピエロが木の下にうずくまっているのをとらえた。
傍には置物のようにお座りでじっとしているお供の犬も。 しかし犬の視線はしっかりこちらを向いていた。
どうも尋常でない中年男の様子が気にはなったが、今は構っている暇がない。 少年は引き続き自分の仕事に集中した。

夜も更け、やっと束の間一人きりになれたアレンは 道具置き場でこっそり盗み食いに精を出していた。
そこへ突然さっきの犬が現れ、大事な商売道具のボールを咥えたと思ったら あっという間に逃走…  
冗談じゃない。 ギョッとしたアレンは必死に追いかけた。 
が、全力で走る犬に追い付けるわけもなく。 

早々にあきらめて雪の地面に大の字で転がったアレンの所に、犬は再び戻ってきた。 
ボールを戻しに来たかと一瞬ほっとしたが、違う。
手を伸ばす少年の目前でそれをヒョイと奪うと、犬はからかうようにボールを持ったまま軽々と身をかわし あるいはわざと目の前で弾ませてみたりとやりたい放題で、絶対に渡そうとしなかった。
その動きは 間抜けなピエロと賢い犬がコンビで披露する芸のように見事なものだったが、とても遊んでいる余裕などないアレンはつき合いきれず 早々に音を上げた。

再び自暴自棄でその場にふて寝を決め込んだアレン。 
すると、外気で冷え切った彼の頬を 温かい犬の舌がなでて行った。
驚いて目を見開くと、犬の顔はまだ至近距離にあった。 犬はアレンをじっと見つめた後 「ワン!」と一声上げ、くるっと方向転換して勝手にテントに戻って行った。
アレンの傍には、あれほど手を焼いたボールが 何事もなかったかのように置かれている。 「……… なんだあいつ」

少年の胸の中は 何だか温かくてくすぐったい不思議な感覚で満たされていた。 



ここが一番の見せ場でしたよね。 少年と犬との触れ合いのシーン。
アレンのリアクションのどれも生き生きして可愛かったし(地べたに大の字で転がるのは最近もやってたけど癖なんですかねw)
犬は変に漫画っぽくしない自然な描かれ方に和みました。 

どこにも救いのない環境を独りで乗り切ってきた少年が、自分に向けられた純粋な好意に初めて接して戸惑う顔も… ここを漫画で見ることができて本当に良かったと思いました。


● はじまりのアレン

そういえば 前も一応断ってはいますが、サーカスの名無しの少年(主人公)の方をずっと「アレン」と呼んでいるので紛らわしく…(すみません(;^_^A) ここでは犬が「アレン」という名だったんですよね。 
ただ、今回のこの辺りではまだ 少年は犬の名がアレンであることも ピエロの名がマナであることも知りません。


それにしても何故この犬には「アレン」の名が付いていたんでしょうか?
ただの偶然? まぁ物語という点からは理由もなく“同名”はないと思うんですが…

当時すでに “マナの傍にネアが別人「アレン」になり替わって現れる”とする“預言”はありました。
だからそれに関係する誰かが何かの目的で意図的に名付けた可能性はあるかも知れません。 
でもそれがもしあったとしても、それ以上のことは情報不足で 何も浮かんでこないですね。

なので一旦ここは保留とし、最近つらつら考えていたことを少し。


はじめに、この犬がサーカスの少年を“マナの傍”に引き寄せる役を担ったことは確かなんですよね。 
この時期のクロスやティムすら 少年の存在は認識していながら“本人”特定できなかったというのに… これはなかなか凄い(笑)
もし仮に少年と犬とのこんな素敵な交流がなかったら、ピエロは少年と深く関わることもないまま いずれここを出てそれっきりだったかも知れず…

少年と仲良しになった犬はその後ほどなく死んでしまいますが、その死をきっかけに少年は初めてマナと繋がりを持ちます。 
そして遂には犬の名「アレン」を引き継ぐことになる… 
つまり犬は、件の“預言”=「“アレン”は必ずマナの傍に現れる」を成就させる鍵を握っていたと言っていい。
流れ的にも、とても美しいですよね。

本物の「アレン」の出現より早くその名を付けられ、マナの傍に置かれた犬。
本物の出現により、場所を譲るように 自分はひっそりと退場していった犬。
“DOG”の反対が“GOD”なのは関係ないと思いますが←
「アレンの物語」のスタート地点に立つこの犬を「ALLEN」と名付けたのは、もしかしたら“神の視点”だったのかも。

※ ここに「犬のアレン」が出てきたのも、そういうことなんでしょうか…たぶん。
      ⇓
P8140164sallen.jpg (画像:『D.Gray-man 26』 P193より)


そうそう  思い出しました。 
しばらく前に、星野先生がインスタで このモデルになった犬のカレンちゃんのことをUPされていたので載せておきますね。

この投稿をInstagramで見る

現在、Dグレ本編ではアレンの過去編を描いています。 そこでは大事な役割を果たすキャラクターのひとり、マナの相棒犬が登場するのですが、実際にモデルになってくれたワンちゃんがいます。 お名前をカレンちゃんといいます。 知人の紹介で取材させていただいたのですが、カレンちゃんと初めて会った時、私がマナの相棒犬としてイメージしていた通りのワンちゃんで、今まさにアレンの過去編を描こうとしている時に、自分が想像していた姿と同じワンちゃんに出会えるなんて、「こんなことがあるんだな」と、感激したのを今でも覚えています。 カレンちゃんは物静かで、綺麗な瞳をしていて、私たちの取材に一生懸命付き合ってくれました。 今年の1月、カレンちゃんは永眠されました。 もう、あの綺麗な瞳が、優しい飼い主さまや、世界を見つめることはないのだと知り、寂しい気持ちと同時に、あんなに深く飼い主さまに愛されていたカレンちゃんはきっと幸せな人生を送れたに違いないと、出会えた時間は短かったですが、そう思いました。 この投稿は、カレンちゃんに感謝を伝えたく、飼い主さまに許可をいただいて書かせていただきました。 飼い主さま、カレンちゃんと出会わせていただき、本当にありがとうございました。 そしてカレンちゃん、きっと今でも、優しい飼い主さまのそばに寄り添っているのではないかと想像しています。 これから私は貴方をモデルにした大事なキャラクターを描かせていただきますね。 あの日、長い時間取材をさせてくれてありがとう。 カレンちゃんの綺麗な瞳を忘れません。貴方に深く感謝します。 カレンちゃんへ、星野桂より。

hoshino katsuraさん(@katsura_5600)がシェアした投稿 -


御冥福を。



残るはマナですね。 そんなに書くことが見つかるか自信がないですがww
それでは。


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『ジャンプSQ.2019年9月号』定例報告。

今月は昨日8/3が発売日でした。
私は電子版のみの購入ですが、確認しましたところ「D.Gray-man」関連で新情報はありません

しかしDグレ長期休載中に必死で情報を探し回っていた頃の気分に比べたら… 全く余裕ですね!(笑)
このところ季刊連載は安定してますし、何より頻繁に更新される星野先生アカウント(インスタ)の安心感が半端ないですから。
今朝もHAPPYなイラスト(旧アカウントから再掲)に和ませて頂きました♡





さてSQ.本誌に戻ります。
雑誌版付録は「ワールドトリガー」の下敷。 『SQ.RISE』とお揃いみたいでいいですね!^^
葦原先生の巻末コメントによれば、この絵柄は「休載号に使うはずだったカラー」なんだとか。
今月も掲載は「ちょっと短め」と言いつつトータル32ページありましたからね。 どうか長い目で見て御無理のないように…

『SQ.』ではほぼワートリの話しかしてなくて済みません(;^_^A
次号は9月4日(水)の発売、付録は「終わりのセラフ」のクリアファイルです。

それではまた。

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FC2ブロガーには嬉しいお知らせv

なんとなんと、FC2インフォメーションより 「この8月1日から1年間 広告表示を撤廃します」という連絡が届きました。 おう… まじですか(↑ω↑)

これまで無料ブログの画面には 使用料の代わりに管理人が選べない広告バナーが自動で割り込んできていたのですが、スマホ向け表示では近年それが大きくなる一方で、PC画面への切り替えスイッチや記事の検索窓(画面一番下にあります)まで隠してしまうといった事態にちょっと困っていました。

告知記事はこちら ⇒ 

もちろんこれまでも有料プランにすれば広告はどけられたのですが、今回の措置は無料ブログにも適用されるという点画期的ですよね。 一応1年間の期限付きですが、今後の状況次第では延長もありそうです。
ずっとこのままにしてもらえますように…w

P8020159smaru.jpg
(上の画像はスマホ向け画面。これまで隠れていた検索窓は赤で囲った所です。 緑の丸部分を押すとPC向け画面に。そちらは最上段右端に同様の検索窓があります。ご活用ください)

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第233夜「A.Wに別れを告げる・The way of the Three」②

星野先生がインスタで「一度アポられてピンチ」と仰っていたカラー扉絵ですが、そんなことがあったとは思えない素晴らしさに何度でも見入ってしまいます。 細部の描きこみ、塗りの立体感
何より並んだ人選の妙もですね! 主人公アレン・ウォーカーと、その人格形成に関わったキーマン二人ですから。 
ただこれがアレンの成長物語であるなら、いつか彼らとの別離も必定でしょうか… (ちょっとしんみり)

そういえば、右ページのマナのポーズでこれを思い出した人も多かったんじゃないかな? 
さすが「親子」ですよね。 雰囲気がよく似てる。
P7270160ab.jpg
(画像: 左は『季刊エス』2016年4月号29頁より/右は『ジャンプSQ.RISE』2019年SUMMER号巻頭カラー扉より)

左のアレンが手にしているのは 第173夜(18巻)で描かれたのと同タイプの仮面。 
今回の扉絵で持っている面とはデザインも違うし、マナのピエロメイクと同じく右の目に縦線が入っています。

「マナの仮面」もこれだけ何度も強調されると、「A.W.に別れを告げる」のはこの仮面のことだったりして (^^; 大分無理がありそ~w 


「The way of the Three」のタイトルどおり、本編は三部構成でクロス・アレン・マナ三者三様の姿が描かれます。




◇ クロス・マリアン

とある荘厳な佇まいの大聖堂。 そこにクロスが足を踏み入れた時は既に遅く、クモの網のようなもので天井高く吊るされた男の身体はAKUMAウィルスの浸蝕が始まっていた。
助けが間に合わなかったことを詫びるクロスに、彼は「構うな 探しものをみつけろ 友よ…!」 と言い遺し砕け散った。
その時 犠牲者の背後から、網を張った張本人らしい 豪華なドレスをまとった一つ目のAKUMAが飛び出してきた。
「クロス・マリアン」「伯爵ノ正体ヲ知ル男…」   「殺セ!」 「殺セ!」
その化物が親グモなのか、クロスの周囲は 同じ顔に胴体がクモのような造形のAKUMA達であっという間に埋め尽くされた。
「なぁ神よ 人の命よりも大事なのかね」  「使命ってのは…」 
「あんたはいつだって無言だ」

断罪者が火を噴き 全てを終わらせた。

再び静まり返った聖堂の中で、クロスはティムが再生するサーカスの少年の映像を横目に 呟いた。
「奇妙な腕をしたガキだな…」   「十字架を抱く腕… イノセンスか?」 
「イノセンスなら奇怪を起こすはず… こいつにその兆候はみられないが」


「仮に適合者だとしても構ってるヒマはない むしろ今の状態のマナにイノセンスを近づければ何が起こるかわからん」
「…殺すか…?」

--- 35年前ネアの宿主となった“アレン”は若くても30代のはず こいつがオレの探してる宿主である可能性は皆無だ ---
--- ガキを手に掛けたくはないが 状況によってはマナを優先させてもらう ---

物騒な言葉を吐く製造者に向かって「ガア!! ガァア」と猛抗議のティム。 
クロスは俺だってそうなってほしくねぇと愚痴をこぼした。

「マナは現在自分が千年伯爵であることを忘れている」 
「ネアを喰ったことも忘れて奴を探して彷徨ってるが いつまた伯爵に戻るかわからん」
「言い換えれば今はハートにとって千年伯爵を破壊する絶好のチャンスってことだ」

どうしたもんか、いつになりゃ辿り着けるんだ、と 彼の苦悩は尽きなかった。

ここで“重箱の隅”ですが一点。「35年前ネアの宿主となった“アレン”は若くても30代のはず」という箇所が変ですね。
只今進行中なのはアレン・ウォーカーがサーカス時代(7歳ごろ)の話ですから、現在16歳のアレンらからみれば9年前です。 
そうしますとこの過去編のリアルタイムではネアの死後25,6年(≒四半世紀)が経過したところ。 さすがにここは修正入るかな。


本題に戻ります。

● 「友よ…!」という呼びかけ

非情に形式ばったセリフですよねぇ… う~~ん。
ちょっと芝居めいてすらいて、実際の友達相手にはまず使わない表現じゃないかと。 会話に登場する不自然さが否めません。
大体、あのクロス・マリアンという破天荒な男と友情を交わすほどの人物なら、最期くらいはもっと血の通った言葉を発して欲しい。

しかし彼の口からは 「キミはキミの使命を全う(しろ)」とか、「探しものをみつけろ」(←これもきっとクロスが負った“使命”の事でしょう)とかしか…  結局クロス本人の心配はしてくれてないですよねぇこれ。
何がどうでも「使命」こそが最優先のようで、言うだけ言ったら後は笑顔で死んで行くなど、その様子は何かカルト集団に洗脳されたっぽい印象すら受けます。
(普通に感じはいい人に見えますが…ごめんなさい)

さらに「友よ」という声掛けは、あの 宿で35年ぶりに目覚めた時のネアもやっていましたね。 
あそこのシーン(第215夜)も、色々と引っかかるものがあったんでした。

終始ラフな口調の持ち主、かなり頼りにしていたっぽい大人まで「不良」呼ばわりするような 生意気盛りの17歳男子がですよ。
それが、あそこだけ神妙に「…アレン  さよなら友よっていうのがどうもね~(;´∀`) バランス悪い。

「友」と呼ばれた相方も、自分が犠牲になることを何の躊躇いもなく申し出るような回想があったりで。 その提案にネアが乗ったわけ? いくら親しい間柄としても、いやだからこそ それってどうなの…?! と色々疑問符が付くところでした。
ただ、元がそういう“特別な目的を帯びた集団”の人達だったということならアリかな。(納得はしてないですが)

まとめますと あの「友」とは、某集団特有の 同志間での呼称か。  
キリスト教徒に例えれば「兄弟・姉妹」みたいなものではないかと。


そんなこんなで、これまで少々現実感が乏しかったルベリエ長官のあの話題、
「室長 これって怖~い話だと思いませんか?」
「得体のしれないノア  それを崇める人間が集まって 何か企てている ような」
(第137夜)
という辺りもにわかに信憑性を帯びてきました。 

ルベリエの話の中の中央庁に助けを求めてきたという「老人」も、たしかに実在するのでしょう。 
ただし伯爵が怖くて保護を…という説明はウソ。 彼は元の組織を裏切ってはおらず単にスパイとして送り込まれた人員で、目的は14番目情報を教団側にリークし、それによってアレンを孤立させ しまいには教団から分断すること。ですよね。 

教団も 方舟が手に入りこれからというタイミングで貴重な奏者に難癖をつけて手放すとはあり得ない悪手ですが、教団の意思と別に奏者をアポクリフォスと合体させるのが目的ならば好都合。 その前に、お役御免で邪魔になってきた師匠(クロス)も排除。

この辺りはもちろん、これまでのあれこれを拾って繋げた想像ですが、「得体のしれないノア(14番目)」を崇める集団=14番目の遺志を継ぐものたち」とは、その頂点に「ハートの御方」を据え 中央庁トップの教皇とは別の意志で動いている秘密組織であって、アポのようにあちこちに潜入しながら 「14番目の遺志」を金科玉条にやりたい放題ということかな。

(まあしかし現人類はやっと100年前に千年伯爵の脅威を知らされて 以後「黒の教団」を立ち上げエクソシストを戦力に「聖戦」に邁進しだしたわけなので、少なくとも7000年前から伯爵率いるノア達と戦い続けてきた「ハート」集団にとっては、大仰な中央庁とか下位組織の黒の教団なんて“仮の宿”みたいなもので、吹けば飛ぶような存在かも知れません)

つまる所「ハートの御方」集団に「14番目の遺志を継ぐ」とかで祭り上げられたネア本人には、事実上何の決定権も無かったと。
彼は自分が眠っている35年間のことは何も知らず。 復活までそんなに時間がかかるとも思わなかったし、その間に守りたかったマナも頼りにしていたクロスも死んでいて マナを飲み込んだ千年伯爵はさらに強大化し…

35年後の世界が何もかも想定外なだけだったら、組織の他のメンバーと手を取り合って対抗策を練ればいいでしょう。 
でも記録映像を見て現状を知ったネアは、逆にここでかつての仲間に対し絶縁宣言をするんですよ。 
クロスも自分も、奴らにすっかり騙されていたことをようやく自覚したんだと思いますね。


● 現段階 まだクロスはサーカスの少年の正体を見抜けないでいる。 

小説版で、街に出た少年に初対面のクロスが「アレンか?」と尋ねるシーンもあるから、まあその通りなんでしょうが。
個人的にはティムキャンピーのネア探知能力にかなり期待していたのですよね(ゴーレムだし)。 でも、そううまくはいかなかった様子。 
ではクロスがネアの存在に気付いたのは一体いつだったのか。 
少なくとも3年後に瀕死のアレンをマザーの教会に担ぎ込んだ時点では“それ”を知ってて血相を変えていたんですよね。

情報不足なので、展開をしばらく様子見です。


● (今の状態の)マナにイノセンスを近づければ大変なことになるらしい(「何が起こるかわからん」)  そして、いつまた伯爵に戻るか分からない  

伯爵の「皮」はマナの妄想の産物ではなく、確かに見える形で彼とは独立に存在していて、逃亡中の兄弟を追いかけたり AKUMAを操って人を襲ったり マナが死んだ後でも彼の魂を呼び寄せるようアレンを誘惑している姿が見られます。

一方「皮」と分離している時のマナは、戦闘力をまるで持たないようで(回想でもネアに庇われている一方)、伯爵になっていた間の悪事はすっかり忘れているし、七千年間若い姿でいた昔の伯爵と違い普通人とほぼ同ペースの老化ぶり(17歳+26年)。
なので、ノアの肉体からすっかり普通人の身体に戻れているのだと思っていましたが、そう話は甘くはないようで。

何より“人体に触れれば細胞が壊死する”とされる「ダークマターの塊(伯爵の魂)」を いつでもまたその身に受け入れられるのなら、もはや“普通”とは言い難いですね。

では、イノセンスを近づけると起こるかもしれないこととは…?

想像するしかないですが、ネアが現れるより前に万一マナがイノセンスに襲われるようなことがあれば 適合者を殺してでも守らなければならないという話でしょうか?
マナが「千年伯爵」になっていなくても、世界に一つしかない“伯爵の器”の存在を感知したイノセンスが自発的にマナに襲いかかる可能性があるとでも?
(「適合者を殺してでも」なんて、戦力増強のため世界中イノセンスを探し回ったり、人造使徒計画に血道を上げている教団関係者が聞いたら卒倒しそうな話ですが。 これが「ハートの御方」の方針だとしたら、大義を前にした人命も軽く見られたものですね)

とにかく この辺の事情が分かれば、小説版でのクロスの謎行動の数々にも理由がつけられそうですね。
・ 何も知らない会ったばかりの子供相手に殺気をみなぎらせて「マナには近づくな」と脅したこと、 適合者である自分もまた マナからは遠く離れて彼を見守っていたこと
・ 少年がマナを左腕(イノセンス)で殴った時 火花のようなものが散ったこと、 その後のマナの様子が明らかにおかしくなったこと、 クロスが「お前のせいだ」と言い捨てていったこと等々。


● 今はハートにとって千年伯爵を破壊する絶好のチャンス

「千年伯爵の破壊」=「器であるマナの殺害」という解釈でいいでしょうか?
ハートとしては一日も早く千年伯爵を倒したい。 しかしネアがマナの傍に姿を現すまではそうできない特別な事情があって、今はひたすら我慢?

逆に考えれば ここから3年後のマナの死は、その頃ようやくアレンの中のネアの存在がハート側に知られたから起きたのかも。
ただハートにも誤算があって、マナの死後も魂を呼び出すことで千年伯爵を復活させる手段があるとは考えもしなかったとか。(…ちょっとマヌケ過ぎますかねww)



グダグダですが、キリがないのでクロスの章はここまでにいたします。
それではまた。




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第233夜「A.W(アレン・ウォーカー)に別れを告げる・The way of the Three」①

いよいよ本日発売『ジャンプSQ.RISE』SUMMER号。
先日の先行公開が5ページだったことから今回少なめ?という心配をよそにちゃんと37ページありましたよ~!
良かった良かったp(*^-^*)q
更に「D.Gray-man」は 巻頭カラーに加え付録にB5版下敷きという豪華版です。
下敷きの図柄は素敵な描き下ろし…♡ と思ったら、今号掲載第233夜の扉絵でもありました。
同柄の図書カードも読者アンケートのプレゼント(4番)になっていますので、こちらへの御応募もお忘れなく。
(雑誌版のみ)

P722016415.jpg
(『SQ.RISE 2019SUMMER』表紙と付録画像)

付録の下敷きは、只今ジャンプショップで販売中の赤いフードのアレン柄クリア下敷き(W257mm× H182mm)と大体同サイズですが、並べると短い方の辺が6㎜ほど小さいです(W257×H176)。
それと、市販品より若干厚みが足りませんが、これといって問題はなし。 
まず観賞用としても申し分ありませんよね! どこかに飾りたい。


▽ 巻末コメント

「クリムト没後100年特別限定版のノートをプレゼントしてもらった。装丁が綺麗でひたすら眺めています」<星野>


▽ 扉絵・副題

あらためてこの3人。 クロス・マリアンとマナとアレン… この面々が揃うと、アニグレのED「Snow Kiss」の最初のカットを想起させますねぇ。 まあ間違いなく彼らが物語の中心人物達ですし。 
シルクハットを被ってあちらは4人でしたが 背後に隠れた人物はアレンの中のネアとし、また クロスに背を向けた千年伯爵の姿はここではマナという解釈で。

副題は 「A.Wに別れを告げる・The way of the three」= 3人それぞれの道。 

〇 マナ
千年公のシルクハットを脱ごうとしているのか これから被ろうとしているのか… 帽子を覆いつくす豪華絢爛な花々が印象的です。
花の種類にもし何か意味が込められているなら、また星野先生に前号のようなコメントを頂きたいところ。
金色をしたマナの瞳はやや虚ろでどこか遠くを見ている感じです。

〇 クロス・マリアン
この扉絵の師匠は、今回登場してきた9年前の雰囲気そのままっぽい。
不機嫌そうに煙草を噛みしめる口元といい 眉をひそめてうっとうしげにこちらに送る視線といい、似たようなアングルでいながらも26巻カバー絵で小さなアレンを脇に抱えて見せている貫禄の表情とは明らかに違って面白いですね。

彼がこの時代に初めてアレンと出会って以降の心境変化を、これから楽しみに追っていきたいと思います。

今月末は師匠のお誕生日もあるのに縁起でもないですが、最近強く思うのは
「アレン・ウォーカーに別れを告げる」って副題、その生みの親となったクロス・マリアン目線の言葉じゃないでしょうか…。

〇 アレン・ウォーカー
サーカス時代の話を自ら語る現在の彼の姿。 右手は敬礼のようなポーズ、左手に持つのはピエロの仮面。
このお面はやはり、後のクロスから外すよう促されていた「マナの仮面」の暗示に見えてなりません。

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(画像は『D.Gray-man』17巻第167夜より)

一つだけ気になる箇所は、ピエロメイクで施す目の部分の縦線が アレンが手に持つ仮面ではマナ本人のと反対側にあることですか。 かつてアレン自身がしていたメイクと同じ側なんですよね。 
それはまた、アレンがエクソシストの道を往く決意の象徴となった AKUMAマナに付けられた大傷と同じ場所。

アオリ。
「影と光が綯交じる。 照らされるのは何れの途か ------。 」



いつまででも眺めていられそうな扉絵ですが、そろそろこの辺で。  次から本編です。


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『ジャンプSQ.2019年8月号』定例報告。

本日の『ジャンプSQ.』情報に依りますと、今度の『SQ.RISE 2019 SUMMER』号は7月22日㈪発売だそうです。

電子版も雑誌版と同日発売ですが、今回Dグレは巻頭カラーのうえB5判下敷きも付録になりますので 雑誌版を特にお勧めですね。 絵柄が「D.Gray-man」の「クリア下敷き」という情報以外まだないですが楽しみです! 
表紙は『血界戦線 Back2Back』になります。
値段は税込760円。

取り急ぎDグレ関連はここまで。

それにしても今月の雑誌版『SQ.』は小畑先生全面推しで綺麗ですね^^ 付録のクリアファイルも「小畑健展」仕様で素敵ですよ~

次号『SQ.9月号』は8月3日㈯発売、雑誌版付録は「ワールドトリガー」の葦原先生描き下ろしクリア下敷き、だそうで。
今月号も42頁もあって面白かったです。 先生、どうぞお大事に。


以上 電子版『SQ.』からでした。 追記や訂正があり次第また来ます。
ではまた。
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第232夜「A.Wに別れを告げる・赤腕とピエロ」②

コミック17巻で師弟会見に臨んだアレンの回想でちょっと触れ、あとは小説版3巻でしか見れなかった「主人公が“アレン”になる以前の物語」がいよいよ始まりましたね。 
アレン自身が語り部ということは、本人が見ていない部分は省略でしょうか… 伯爵がマナを追って現れたシーンとか。 
どう描かれるかは この先も楽しみです。



▽ 扉絵

副題は 「赤腕とピエロ」

アオリは 「ずっと独りだった。 ずっと寂しかった。 きっと誰かを求めてた。」
「きっと」というのは、当時のアレン自身も無意識のうちに押し込めていた本音だったからでしょうか。

絵は、舞台で喝采を浴びるピエロマナと背中合わせに立つ みすぼらしい身なりの少年にスポットライトが当たっています。
これまでカバー絵や扉絵で何度かあった、アレンが左・マナが右に立つ構図から ぐるっと回ってアレンを正面に捉えたところ。
幼いながら真っすぐ前を向いた瞳が印象的です。
(そういえばこの「アレンの背後にピエロマナ」の図は、第220夜の扉絵も思い出しますねw)

--- え~と ここで唐突ですが、「赤腕」の連呼がどうにも忍びないので 主人公の少年は「アレン」と呼ばせてくださいね ---


▽ 本編

たった7歳(推定)の身で、サーカスの裏方でこき使われていた孤児のアレン。 ここに来る前のことは不明。
ほとんど動かない左腕をかばいながら次々与えられる仕事を必死でこなすが、彼に優しい言葉をかけてくれる人は誰もいない。
当時はちゃんとした名前すらなく、大人たちからは「赤腕」という蔑称で呼ばれていた。


〇 仕事
全身薄汚れた小さな体で重そうなカートを押したり、震える左手で支えながら団員の食事を配って回る姿が切ないですね。
慣れない頃は カートを倒して殴られたりしたこともあったのでは…?
大勢の大人に囲まれながら、甘えるどころかゆっくり寝ることすら許されない環境なんて(´;ω;`)  


〇 マナと雪だるま
当時のマナはたまたまサーカスと合流した流れの芸人でしたが、それにしたって わざわざ寒空の下でひとり熱心に雪だるまを並べている中年男なんてだいぶ怪しげです。
ただ本人の感覚じゃ “つい先日まで17歳”なんでしたっけ。 ←(小説版のネタバレ、失礼)
アレンが持ってきた質素な食事にも 「わあおいしそうですねぇ」と、子供のような歓声を上げる彼。

でもその直後に、「飯はまだか」と怒鳴るコジモに邪魔されて 二人の会話は続きませんでした。
並んだ雪だるまとおじさんと犬と子供という取り合わせ、ほのぼのしてとてもいい絵でしたのに~!😞 

雪だるまは大きいのが1つと小さいのが7つ。 手が凍えるのも厭わずずいぶん頑張りましたww 
これを作りながらマナの脳内で繰り広げられていた物語は一体どんなだったか。 
アレンがマナから聴かされたという、友だちゴーレムのお伽話も こんな時にできたのかもしれませんね。


〇 サーカスと見世物小屋
この話の舞台は、クリスマスムード一色の「エディンストン」(という架空の街)。
テントを張っているのは「ガーベイサーカス団」    “ガーベイ”が団長の名前でしょうか。

華やかな舞台は大盛況、押し寄せた観客も裕福そうな中流階級の人間ばかり。 ショーが終われば皆、満足げな表情で帰っていきます。
ガーベイ団長、商才だけは確かなようでした。

19世紀後半のイギリスは、大衆娯楽としてサーカス興行が大盛り上がりだったとか。
ただ 誰もが連想する主流のショー(猛獣ショー・空中ブランコ・ピエロ芸等)と対照的に、大テント脇にひっそり併設されるような見世物小屋(サイドショーまたはフリークショーと呼ばれた)では、キワモノ的パフォーマンスや、当時の欧米では珍しがられた肌色の異国の人間や、小人症その他身体に障碍を持つ者までが「みせもの」にされていました。 
団長やコジモが言及している以上、ガーベイサーカス団にもそれがあったわけですね。 

あだ名の「赤腕」とはおそらく、実際にアレンが「見世物小屋」に入れられた時に付いた名で。
雑用係で働く今もなお 脅し目的で使い続けるコジモや団長の底意地の悪さったら測り知れないですね。


〇 コジモ
小説版初見から忘れられないキャラですが、あまり容姿に恵まれたイメージが無かったんですよね。 陰湿ないじめ描写のせいでコンプレックスの塊のような人物に見えたからか。
でも今回本編に登場した彼は、普通にハンサムで 舞台上では身長188㎝のマナと並んでも見劣りしない長身でした。
それだけに、力のない小さな体のアレンをいたぶる様子がなおさら嫌らしいですが。

この話を“聴いている”神田に映像は見えてないわけですが、仮にコジモがアレンを足蹴にする場面を目にしていたら……
神田の古い記憶に登場した、止めを刺しに来たAKUMAピエロの姿と重なって、いたたまれなかったでしょうね。

コジモもここの看板スターとしていい思いをしていた時期の反動で、突然現れたライバルに実力差を痛感させられ 我慢できなくなったんでしょうか。
この先さらにエスカレートする彼の悪行を思うと、本当に気が重いです。


〇 団長
アレンをうっぷん晴らしのはけ口にしているコジモも酷いですが、この団長の方は逆に“心がない”。 身寄りのない哀れな子供を生殺与奪も思いのままの道具=金ヅルとしてしか見ておらず、最悪です。

アレンの口元を嫌らしく撫でながら、“この顔立ちなら成長すれば化けるかもな…”と、どこまでも金儲けの材料として冷酷な皮算用をしているようにも見えました。
本能的な危機感か、背筋に悪寒が走るアレン。 結局こんな所に長居せずに済んで 本当に良かったですね。


大人たちの虐待からようやく逃れ、アレンはついさっきの「おまえは私の所有物」という団長の言葉を反芻しながら 心の中で激しく抵抗していた。
「ちがう」  「いつか絶対見返してやる」  「オレは誰の思い通りにもなるもんか」


〇 強い自我
どうしても神田の過去編と比べてしまいますが アレンのこの反発心、過去を封印され胎中室から生まれたばかりという状況のユウが、身の回りの環境をそういうものとして受け入れるより前に「こんな所…」と冷ややかに見ていた姿に近いものを感じます。

実際その認識は正しいのですが、通常一個の人間として(自分と他者を区別する)自我を確立するためには、時間をかけて体験を積んでいくプロセスが必須のはずで、その土台となるべき“過去”を持たない彼らの一足飛びの老成ぶりはちょっと不自然に映るのですよね。
つまり何が言いたいかというと、アレンもまた まっさらな状態で誕生してきた普通の子供ではないのでしょう。


誰かの歌声を耳にして、アレンはそちらに顔を向けた。
降りしきる雪もお構いなしで、1本の木にもたれながら あの流れのピエロが唄っていた。
奇妙な行動ばかり目立つ彼を訝しみ、ちょっと「気味が悪いな」と少年は思った。
でも何だろうあの歌… どこかで聴いた気がする

始めはつつましく直立不動の態勢だったピエロ、だんだん気持ちが乗ってきたか 朗々と歌いながら大きく両手を広げ、雲間から覗く満月に訴えかけるように声を張り上げた。

その時 呆然と聴いていたアレンの左目から突然涙がこぼれ落ちた。 別に歌に感動したわけじゃない。
訳が分からず慌てて涙をぬぐっていると、今度は「ワン!」と元気な犬の声。 このピエロの犬だ。
ピエロはぱったりと歌うのをやめ、一人と一匹は小走りでテントに戻って行った。

「…変な奴」
それがアレンの感想の全てだった。 
所在なげに一人で戻っていく少年の姿を、テントの上に止まったゴーレムがただじっと見つめていた。



〇 子守唄を歌うマナ
まだこの段階ではアレンにとってマナは何を考えているのか分からない“変なおじさん”以外の何者でもありませんが、小説版通りに行くなら今後マナがアレンに自分の身の上を話す場面がある筈です。
それによると、かつて彼は追ってくる「千年伯爵」から「弟」と二人で逃げていたと。
ところがある時弟とはぐれるわ、自分は一晩で「おじさん」化してしまうわで。 とにかく未だ弟を探しながら旅を続けている最中なのだと。

少なくともこの頃のマナの認識では、自身は恐怖の対象=千年伯爵とは別人なんですよね。 
四半世紀前にネアが死んだ(ましてや操られて自分が殺した)という記憶から先は、ゴッソリ抜けている。
そのうえ肉体が普通人レベルに歳を取っている。 
ネアマナに変化する前の7000年生きていた千年伯爵が ずっと若い姿を保っていたことを思うと、考えられないことです。

こうしてみると 当時の彼は、一旦「千年伯爵」の宿主になりながら再び分離した状態とみるのが一番素直じゃないかと思いますが、今先走ってあれこれ言っていても埒が明かないので 本編の描写が出て以降にじっくり考えたいですね。

前回特に気になった、アレンがここで既に「子守唄」の歌詞やメロディに触れてしまった件もとりあえず保留としまして。
 
月に向かって子守唄を歌ったマナの心境やいかに…
心は「17歳」のまま、はぐれてしまったネアはもちろん 懐かしい故郷の風景や 唄を教えてくれた母さまや屋敷の人達の姿が走馬灯のように浮かんでは消え…という感じかな。 ひたすら幸せだった時代を恋い慕うピュアな気持ちだったかと


〇 流れる涙
だいぶ前に「ネア絡みで左目描写が目立つ」という記事も上げていますが、それとは別に ここの左目だけが泣いているアレンの様子、アルマ編で本体の記憶につられてユウが「愛している」と泣いた場面も思い出しますよね…
結局神田の中に「本体」時代の自覚は戻らなかったのに。 その意志とは無関係に、脳の中に眠る古い古い記憶のなせる業でした。
今回のサーカス時代のアレンにしても、まだとてもネアの片鱗すら覗いていない頃でしょう。 
でもアレンの奥底に確かに存在したこの唄にまつわる記憶… それはネア=D=キャンベルだけでなく、美しい田園風景に感動して泣いた千年伯爵の元にまで通じているのでしょうから。

理屈はどうでも、大変美しい描写だと思います。



では、第232夜はここまでで。
次号発売日の予告はまだですが、きっとあと1月というところでしょうね。 待ち遠しいです。
それではまた!

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神田誕2019。

今年もやってきましたね 6月6日。 おめでとうございます☆.。.:*(嬉´Д`嬉).。.:*☆
今年は アレンフィギュアの到着日と重なる人が多くて、TLのいつも以上の盛り上がりが 見ていても楽しかったです。



本編でアレンが他人を想ってよく泣くのに比べ 神田ユウという人は滅多に涙を見せませんよね。

これまでで特に印象的だったのは、一面の瓦礫野で青空を見上げ「ごめん アルマ…」とボロ泣きした時と AKUMA化アルマの最期を見届けながら静かに流す涙。 

世界で一番好きな、ただ一人(アルマ)のためだけに流していたのだな… と思うと、その一途さに切なくなります。
(※被験体時代の「おまえをあいしてる…」のシーンは、彼の意志から湧いた涙ではないとの解釈でノーカウント)

彼が泣いてみせることはもう二度とないのかな…


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キャンピー

Author:キャンピー
Yahoo!ブログから移動して'12年10月25日オープン。
それ以前の日付記事は旧ブログからの訂正版です。

生年:不明。35年前には存ざ(ry
BD/Btype:8月某日(Leo)/AO型
身長:160cm
体重:標準(自称)
家族:5人。夫と子供3人(男・男・男)
好物:漫画はDグレでお腹一杯。

<他ツイフィールまで> http://twpf.jp/ripvansf
   

Dグレの応援お願いします。
漫画「D.Gray-man」は、2004年5月31日発売の『週刊少年ジャンプ27号(6月14日号)』で連載を開始し、2009年『少年ジャンプ22,23合併号』(第186夜)まで掲載。 以降2009年『赤マルジャンプ9月20日号」に第187夜掲載を経た後、第188夜からは同年11月発売の月刊『ジャンプSQ.2009年12月号』で連載再開。そこから2013年刊行の『SQ.2013年2月号』の第218夜までを掲載。 同年『SQ.4月号』誌上で編集部より「再開未定の一時休載」告知。 2年半の長期休載を経て、2015年7月17日発売の季刊誌『ジャンプSQ.CROWN(スクエアクラウン)』に場を移し連載が再開しました。 その後、掲載誌は2018年4月16日発売号より『SQ.RISE(スクエアライズ)』とタイトルを変えてリニューアル。現在も継続中です。 コミックスは2013年11月に24巻発売(第218夜まで収録)・2016年6月3日に25巻発売(第222夜まで)・2019年2月4日に26巻発売(第230夜まで)。      <星野桂先生のインスタグラムアカウント(@Katsura_5600)も現在元気に更新中>   
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