2012.12.05(Wed)
第217夜(2)「A.Wをたずねて・One seat empty」
ティムキャンピーの「主(あるじ)」は結局誰かの問題。
ゴーレムとしての観点では“アレンもネアも全く同格の存在だろう”という結論を出したのが先月の記事(『退魔ノ剣と・・・』)でした。
ゴーレムである立場上、ティムが何を基準に自分の仕えるべき「主」の認識をしているか。
それはやはり、個々人の自己認識の源である臓器・“脳”の存在しかないだろうと考えるためです。
(そこはセカンド実験で証明された通りイノセンスが適合者を脳で見分けていた状況と近いように思いますし、さらにはノアメモリーのケースでも・・・)
その一方 ティム自身も、単なるロボットから脱皮して自我を持ち始め オリジナルの感情を持つに至っている。
生まれてからずっと一緒だった主人のネアが、今でも変わらず好き。
アレン・ウォーカーになってからの主人も、負けないくらい大好き。
昨晩ネアが目覚めるまでは、それぞれの命令に従うことがただ嬉しく、何の矛盾もなかったのに。
----- ネアはアレンを消そうとしている -----
ここから葛藤が始まったんでしょうね。
アレンがネアから交代し戻ってきた時、ティムは先にネアが昏睡から醒めた時のような擦り寄る行動はせず、やや距離を置いていたように見えました。
あくる日、ジョニーと連れ立って他所に行こうとするアレンのことは ただじっと見送っていて。
しかし ティムもまだ、アレンを捨ててネアを取る選択をしたわけではないはずです。
心を決めていたのなら、神田の「どっち」の質問に 苦しむ必要はないのですし。
とりあえず、しばしのお別れ。
ティムが無事元通りになれた時、ネアとアレンの命令が真っ向からぶつかったら 今度こそどちらを選ぶのか。
その答えが出せたら ティムも一人前の自我を持ったと言えるのかな。
製造者が遺していった言葉は・・・ 「もう自由(すき)にしていい」
それにしても。あのティムを壊した木のカケラのような物質ですけどねー。
実はずっと、ネアの母が挨拶してた「コーネリア」を連想しちゃってしょうがないですよ(笑)
あの樹の又から生まれたとかさあ(←←←デタラメ注意報)
ティムキャンピーって ほんと、どうやって造られたのかな。
歩き続けながら、アポクリフォスはじっと自分の右手を見つめた。
(六幻の適合者から 興味深い情報が得られた) (ハワード・リンクは生存していた)
路地から出てきた自分を 多数の目撃者達が遠巻きにしながら見つめていることに、彼はちっとも慌てた様子が無かった。
(どんな理由があろうと鴉が中央庁から逃亡することは重罪・・・ 反逆の徒として死ぬまで追われるだろうに・・・)
(ルベリエに媚(こ)び諂(へつら)う重度の病人か・・・・・・)
(六幻の適合者のこの揶揄(やゆ)は面白いな)
「面白い」と表現しつつ、その表情は別段楽しげにほころんでもいない。
とにかく 7000年間観察し続けても今なお不可解な人間達の行動すべてが 彼の興味深い研究対象なのだ。
引きつった表情の群集。ざわめきは止まない。
「ほんとか?」「見た」「ケンカかな」「少年が引きづられていったらしい」「え 何?」「警察呼びにいったほうがいいんじゃ」・・・・・・
その中には、頭からショールを被りうつむきがちに往く通行人を装った 当のリンクも紛れていたのだが。
幸いなことに思念に没頭するアポクリフォスに、その存在は気付かれていなかった。
[リンク] (あれはまさか・・・)(枢機卿(カーディナル)!?)
[アポクリフォス] (ルベリエ・・・・・・ 神の名のもとで生きながら 神を憎む男)
(あの男の深い業が “14番目”を欲しはじめたのかもな)
出した結論に、ひとり満足気な表情。アポクリフォスはずれた眼鏡を整えながら「ふむ」と頷いた。
リンクは集団からそっと抜け出すや、もう一度“枢機卿”に一瞥をくれると 全力で駆け出した。
[リンク] 「あれは人ではない・・・・・・っ」「まさかあの神田ユウが一溜まりもなくやられるとは」
「なんてことだ・・・・・・・・・っ」「中央庁にあんな化物がまぎれていたのか」
とりあえず 彼が目撃したのは、アレンが立ち去った後 ティムキャンピーが突如巨大化して“枢機卿”に先制攻撃を加えたこと。
枢機卿がそれに異形の姿ととてつもない攻撃力で応じ、参戦した神田もろとも あっさり打ち倒してしまったこと。
[リンク] (枢機卿 ----- )
リンクの脳裏に、あの北米支部ノア襲撃事件後の報告会議のテーブルに居並ぶ5人の枢機卿らの様子が浮かんだ。
(中央庁・黒の教団の最高指導者である教皇の助言者たる高位聖職者たち)
(彼らは 我ら組織の枢軸だ)
そして自分をここに送り込んだルベリエ長官の顔が。
[ルベリエ] ----- 中央庁の中にも 私以外に“14番目(裂け目)”を利用しようとしてる者がいます -----
[リンク] (まさか枢機卿だったとは・・・)(しかもあんな化物だなんて 長官・・・っ)
(我々が信じてきた中央庁とは 何だったのですか!!)
しかし彼は これから起こる最も肝心な場面を見損ねていた。
それを知れば 自分の身とも無関係でなかったことに気付いたかも知れない。
だが現場に留まっていたなら、今得た情報すら手放さざるを得なかっただろうから 早々に逃れた行動は正解だったと言うしかないが。
まだ先は長いです。
[アポクリフォス] (ルベリエ・・・神の名のもとで生きながら 神を憎む男)(あの男の深い業が “14番目”を欲しはじめたのかもな)
ルベリエの動きを警戒するアポクリフォスは、彼の生い立ちの何から何までとっくに調べ上げ把握していたようですね。
さらに リンクが命を取り留めてもあの晩の証言はできないよう対策を講じたのに、そんな手に乗るどころか逆に持ち駒を極秘裏に“アレン(=14番目)”の間近に送り込んできた手腕。
これでルベリエの執念深さと狡猾さははっきり分かったはずですが、それを脅威に感じるどころか いまだ他人事のように冷静にふるまい続けるアポクリフォス。
これでは やはり積極的にルベリエを襲いに行く意志は無いように見えます。
>「神のもとで生きながら神を憎む」
アポクリフォスの見立てがズバリ正解なら、とりあえず『“独裁者”の影。』という記事内容は今の所セーフ・・・
でも今回は、ハッキリ外した予想もあったんですが(苦笑)
それはまだ先の章で。
現場を立ち去り走り出したリンク。
もちろん長官のことで頭が一杯の彼は 今見た事件をルベリエに一刻も早く知らせねばと思っているのでしょうが。
[ルベリエ] 「今後私との連絡は暗号化した書簡でこの宛名に・・・・・・」(第213夜)
こんな緊急事態に「書簡」ですよぉ~(^_^;)
通信手段を郵便にしたのは 内容が中央庁に筒抜けになるのを恐れたためでしょうが、一体何日かかるものやら。不便ですね。
関係ないけど、美人のリンクさんの真知子巻きが素敵だと思っ(爆)
そして第217夜を最後まで読んだ今、(見所もろもろをすっ飛ばして)一番頭に引っ掛かってしまって辛いのは実はアレンの安否です。
まずいんじゃないだろうか。あれ・・・・・・
(続きがんばります)
とりあえず今日はここまで。
ゴーレムとしての観点では“アレンもネアも全く同格の存在だろう”という結論を出したのが先月の記事(『退魔ノ剣と・・・』)でした。
ゴーレムである立場上、ティムが何を基準に自分の仕えるべき「主」の認識をしているか。
それはやはり、個々人の自己認識の源である臓器・“脳”の存在しかないだろうと考えるためです。
(そこはセカンド実験で証明された通りイノセンスが適合者を脳で見分けていた状況と近いように思いますし、さらにはノアメモリーのケースでも・・・)
その一方 ティム自身も、単なるロボットから脱皮して自我を持ち始め オリジナルの感情を持つに至っている。
生まれてからずっと一緒だった主人のネアが、今でも変わらず好き。
アレン・ウォーカーになってからの主人も、負けないくらい大好き。
昨晩ネアが目覚めるまでは、それぞれの命令に従うことがただ嬉しく、何の矛盾もなかったのに。
----- ネアはアレンを消そうとしている -----
ここから葛藤が始まったんでしょうね。
アレンがネアから交代し戻ってきた時、ティムは先にネアが昏睡から醒めた時のような擦り寄る行動はせず、やや距離を置いていたように見えました。
あくる日、ジョニーと連れ立って他所に行こうとするアレンのことは ただじっと見送っていて。
しかし ティムもまだ、アレンを捨ててネアを取る選択をしたわけではないはずです。
心を決めていたのなら、神田の「どっち」の質問に 苦しむ必要はないのですし。
とりあえず、しばしのお別れ。
ティムが無事元通りになれた時、ネアとアレンの命令が真っ向からぶつかったら 今度こそどちらを選ぶのか。
その答えが出せたら ティムも一人前の自我を持ったと言えるのかな。
製造者が遺していった言葉は・・・ 「もう自由(すき)にしていい」
それにしても。あのティムを壊した木のカケラのような物質ですけどねー。
実はずっと、ネアの母が挨拶してた「コーネリア」を連想しちゃってしょうがないですよ(笑)
あの樹の又から生まれたとかさあ(←←←デタラメ注意報)
ティムキャンピーって ほんと、どうやって造られたのかな。
歩き続けながら、アポクリフォスはじっと自分の右手を見つめた。
(六幻の適合者から 興味深い情報が得られた) (ハワード・リンクは生存していた)
路地から出てきた自分を 多数の目撃者達が遠巻きにしながら見つめていることに、彼はちっとも慌てた様子が無かった。
(どんな理由があろうと鴉が中央庁から逃亡することは重罪・・・ 反逆の徒として死ぬまで追われるだろうに・・・)
(ルベリエに媚(こ)び諂(へつら)う重度の病人か・・・・・・)
(六幻の適合者のこの揶揄(やゆ)は面白いな)
「面白い」と表現しつつ、その表情は別段楽しげにほころんでもいない。
とにかく 7000年間観察し続けても今なお不可解な人間達の行動すべてが 彼の興味深い研究対象なのだ。
引きつった表情の群集。ざわめきは止まない。
「ほんとか?」「見た」「ケンカかな」「少年が引きづられていったらしい」「え 何?」「警察呼びにいったほうがいいんじゃ」・・・・・・
その中には、頭からショールを被りうつむきがちに往く通行人を装った 当のリンクも紛れていたのだが。
幸いなことに思念に没頭するアポクリフォスに、その存在は気付かれていなかった。
[リンク] (あれはまさか・・・)(枢機卿(カーディナル)!?)
[アポクリフォス] (ルベリエ・・・・・・ 神の名のもとで生きながら 神を憎む男)
(あの男の深い業が “14番目”を欲しはじめたのかもな)
出した結論に、ひとり満足気な表情。アポクリフォスはずれた眼鏡を整えながら「ふむ」と頷いた。
リンクは集団からそっと抜け出すや、もう一度“枢機卿”に一瞥をくれると 全力で駆け出した。
[リンク] 「あれは人ではない・・・・・・っ」「まさかあの神田ユウが一溜まりもなくやられるとは」
「なんてことだ・・・・・・・・・っ」「中央庁にあんな化物がまぎれていたのか」
とりあえず 彼が目撃したのは、アレンが立ち去った後 ティムキャンピーが突如巨大化して“枢機卿”に先制攻撃を加えたこと。
枢機卿がそれに異形の姿ととてつもない攻撃力で応じ、参戦した神田もろとも あっさり打ち倒してしまったこと。
[リンク] (枢機卿 ----- )
リンクの脳裏に、あの北米支部ノア襲撃事件後の報告会議のテーブルに居並ぶ5人の枢機卿らの様子が浮かんだ。
(中央庁・黒の教団の最高指導者である教皇の助言者たる高位聖職者たち)
(彼らは 我ら組織の枢軸だ)
そして自分をここに送り込んだルベリエ長官の顔が。
[ルベリエ] ----- 中央庁の中にも 私以外に“14番目(裂け目)”を利用しようとしてる者がいます -----
[リンク] (まさか枢機卿だったとは・・・)(しかもあんな化物だなんて 長官・・・っ)
(我々が信じてきた中央庁とは 何だったのですか!!)
しかし彼は これから起こる最も肝心な場面を見損ねていた。
それを知れば 自分の身とも無関係でなかったことに気付いたかも知れない。
だが現場に留まっていたなら、今得た情報すら手放さざるを得なかっただろうから 早々に逃れた行動は正解だったと言うしかないが。
まだ先は長いです。
[アポクリフォス] (ルベリエ・・・神の名のもとで生きながら 神を憎む男)(あの男の深い業が “14番目”を欲しはじめたのかもな)
ルベリエの動きを警戒するアポクリフォスは、彼の生い立ちの何から何までとっくに調べ上げ把握していたようですね。
さらに リンクが命を取り留めてもあの晩の証言はできないよう対策を講じたのに、そんな手に乗るどころか逆に持ち駒を極秘裏に“アレン(=14番目)”の間近に送り込んできた手腕。
これでルベリエの執念深さと狡猾さははっきり分かったはずですが、それを脅威に感じるどころか いまだ他人事のように冷静にふるまい続けるアポクリフォス。
これでは やはり積極的にルベリエを襲いに行く意志は無いように見えます。
>「神のもとで生きながら神を憎む」
アポクリフォスの見立てがズバリ正解なら、とりあえず『“独裁者”の影。』という記事内容は今の所セーフ・・・
でも今回は、ハッキリ外した予想もあったんですが(苦笑)
それはまだ先の章で。
現場を立ち去り走り出したリンク。
もちろん長官のことで頭が一杯の彼は 今見た事件をルベリエに一刻も早く知らせねばと思っているのでしょうが。
[ルベリエ] 「今後私との連絡は暗号化した書簡でこの宛名に・・・・・・」(第213夜)
こんな緊急事態に「書簡」ですよぉ~(^_^;)
通信手段を郵便にしたのは 内容が中央庁に筒抜けになるのを恐れたためでしょうが、一体何日かかるものやら。不便ですね。
関係ないけど、美人のリンクさんの真知子巻きが素敵だと思っ(爆)
そして第217夜を最後まで読んだ今、(見所もろもろをすっ飛ばして)一番頭に引っ掛かってしまって辛いのは実はアレンの安否です。
まずいんじゃないだろうか。あれ・・・・・・
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