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第218夜(2)「A.Wをたずねて・“D"」

狂った伯爵に追いまくられるアレン。
まだネタバレは途中なんですが、先月ファインダーの受けた連絡(アレンとジョニーが一緒に駅へ向かっているという内容)通りの状況にこれから至るというのは、やっぱり無理じゃないかな。
もしあれがノアの罠(本命は神田とティエドール)だったとしても こっちの彼らの心配は余りしてませんけどね。
むしろ、神田の臨界点突破というまたとない見せ場を期待しちゃっていいですか? 
頑張ってー(^^)




アレンと伯爵の対峙場所からさほど遠くない地点。 懸命にアレンを探し走り回るジョニーがいた。
逃走したアレンの姿はとっくに見失ったが 彼との距離だけは手錠の電流が教えてくれる。
あとは方角の見当をつけて進むだけ。

めくらめっぽうな試行錯誤の跡が 彼のボロボロの姿から見て取れた。
「傍に行く」とアレンに宣言したのはまだ昨夜のこと。 ここで絶対離れるわけにはいかない。

[ジョニー] 「手錠から電流が出ない・・・ こっちの方角だな」 「オマエは神田に知らせに行って」
走る足は止めず、ジョニーは自分のゴーレムに命令した。
そして、彼が路地から表に出ようとした瞬間。

ゴガァ
大音響と共にすぐ目前のビル壁が 突如現れた怪物の手によって削り取られた。
その場に思わず立ちすくむ彼が見たのは
[ジョニー] 「アレンッ    伯爵!?」

巨大化した千年伯爵が振るっている両腕の攻撃を、イノセンスの使えないアレンが 野生動物のような身のこなしだけで辛くも切り抜けている。
だが アレンは飛んでくる伯爵の右手をひらりとかわした瞬間、最も恐れていた人を視界に捉えてしまった。
[アレン] 「!?  くるな ジョニー!!」
伯爵から気がそれた その一瞬に、大きな左手がアレンをさらう。
そのまま彼はもがく間もなく建物の壁に全身を打ち付けられた。
ぐぎゃ

正確には煉瓦の壁ではなく窓枠部分だった事が幸いしたが。

[千年伯爵] 「ネ」「ア」
伯爵が壁から手を離すと同時、ドサ とアレンの身体が落下した。

[千年伯爵] 「ネ」「ア」伯爵の皮の顔面中央、ぱっくり割れた隙間から ぼろぼろと涙を流す中年男の顔が覗いている。
そして気を失って動かないアレンに手を伸ばしかけた時・・・

[ジョニー] 「アレン!!」

その場に飛び込んできたジョニーがアレンを抱えさらって行った。
目標物を見失い、伯爵の上体は勢いよく建物に突っ込んだ。
ガシャアアアア

ジョニーはアレンを抱き止めたま、勢いで硬い瓦礫まみれの石畳を滑っていく。
[ジョニー] 「いたっ」
とっさの判断で柄にもない大胆な行動に出たが、アレンをかばいつつ振り返るジョニーはもう顔面蒼白。
[ジョニー] 「あわわわわわわわわ」

[アレン] 「ジョ   ジョニ・・・・・・」
アレンが意識を取り戻したが、ダメージがひどく身体は動かない。
[アレン] 「僕から・・・   はなれろ・・・」
[ジョニー] 「だだだめだ! いっ一緒に 逃げるんだだッ」
[アレン] 「やめ・・・ろ」

ジョニーはぶるぶる震えながらも 自分より長身のアレンを何とか担ごうと力を振り絞る。
前にも橋の下で倒れた彼をおぶった事はあるが、今は自分も怪我を負っているうえ恐怖で腰が抜けそうだ。
[ジョニー] 「ぐぬうううう ----- っっ」 「ぐぉおーっっ」
[アレン] 「ジョニ・・・」 「やめろ・・・・・・」


そんな2人を 千年伯爵の中の男は呆然と見つめていた。

[アレン] 「ジョニー・・・」
[ジョニー] 「いやだ 一緒だ!!」 「一緒に逃げるんだ」


その台詞が、男の記憶の底から 忌まわしい過去の光景を蘇えらせた。
倒れた弟を傍に抱き寄せながら泣いている 若い自分の姿。
2人の周囲を ちらちら冷たい雪が舞う。

----- ・・・ァ -----  ----- ネア -----  ----- ネア -----

----- ごめん・・・ -----  ----- ごめんよ ネア・・・っ -----


[千年伯爵] 「ダ   誰ダ・・・!?」
ジョニーは アレンの腕を肩に回したまま振り返った。
そこで千年伯爵の怒りに満ちた視線を痛いほど感じる。
[ジョニー] 「は・・・  伯爵・・・・・・っ」


男にとって眼前の2人はそのまま 兄弟で地獄の逃避行を続けた、過去の自分達の姿だった。
弟を抱いたまま、悲痛な声をふり絞り懇願する。
----- もう やめて・・・っ -----

「千年伯爵」の憤(いきどお)りは最高潮に達した。 
[千年伯爵] 「オオオオ前ハ」「誰ダァああァァアアアアアァアア」

カァッ

その咆哮は衝撃波となって、ジョニーとアレンを襲った。 
吹き飛ばされる2人。
[ジョニー] 「うわぁっ」




次からがいよいよ本番ですね。 続きますよ。

今回もジョニーが頑張りましたよね・・・ 嬉しい(*^_^*)
旅立ちを見送ってくれた仲間の想いも一緒ですから。
「アレン・ウォーカー」が消えてしまわないように、これからもずっと傍で名前を呼んであげてください。 
お願いします!





関連記事

第218夜(1)「A.W(アレン・ウォーカー)をたずねて・“D(ディー)"」

今晩は。遅くなりました。 最初に『SQ2月号』に掲載されたお知らせから。


スクエア連載作家28人の直筆サイン色紙プレゼントがあります。当選者は各先生ごと1名ずつ。
星野先生は21番です。 色紙は先月ジャンプフェスタ2013の原画コーナーに展示されていたものです。
アレン・ラビ・リンク・ジョニーが輪になって寝転がっているイラスト(本誌P6画像を見るのが一番)。
モノクロですが、書き込みが例年以上に緻密で素敵ですv


あと、漫画家志望の方!
ジャンプSQシュープリームコミック大賞・第14回の投稿締切は一月後の2月4日です。
この回の審査員は星野桂先生が務められますよ。
募集要項はHPのこちらで。


そして、先月から話題のアニメ『ヴァルヴレイヴ』の広告。P722。
星野先生がキャラクター原案をされたメインキャラ線画が載っております。


巻末目次コメント。
星野先生「ヴァルヴレイヴのスタジオ収録にお邪魔してきました!熱気ある現場で楽しかったです☆」



今月号のD.Gray-man、分量としては20頁、本誌の掲載はP651からと順番も後の方でしたが急展開は鈍っていません。
スリリングで楽しめました。


マナ・ネアの兄弟について。うちの考察は大雑把ですが、
▽マナの方は千年伯爵メモリーの実体である“皮”の中に遺体と魂が取り込まれ侵蝕を受けているのではないか。
 (伯爵メモリーはアポクリフォスに似た単独行動可能な自立型でヒトと「合体」すると更に強化されるとか)
▽ネアの方はアレンの現在の体に脳が移植されて蘇った(神田のケースで言う)“本体”的存在なのではないか。

という予測を前提にしてますが、今月の内容でもまだ特に不都合は感じませんのでそのまま行こうと思います。
(第214夜でネアが目覚めてくる直前、アレンが寝言で本来ネアの台詞「起きたのかマナ」を口走った場面は、
 アルマ編のユウが一部本体の記憶を戻して「おまえを あいしてる」と言っていた所そっくりに見えまして。
 実はマリが第185夜で言った「(アレンと神田が)似た者同士」というフレーズが妙に引っ掛かっているのです。
 『キャラ†グレ!』トークでも星野先生、「神田の過去話は主人公アレンの物語を進める布石に」と仰ってましたし。
 今のアレンの様子ではまだ自分に繋がるものという実感はなさそうですけどね)


副題は「A.Wをたずねて・“D(ディー)"」。
物語の核心に迫りそうな「D」の文字。
前に書いた記事をちょっと思い出しました。

“allen(アレン)”を逆に並べた“nella”を少しいじると“=nea(イコール・ネア)”が出てくることから
千年伯爵“adam(アダム)”も、逆にしてみたら “mada”のうち“d”を“n”と交換すれば“mana(マナ)”になるよね、とした話。

“n”が、名前の頭文字が“n”のネア(nはアルファベットでも14番目)を指すとしても、
“d”の方がさっぱり。一体何だろう・・・で保留中だったんですが。

この第218夜でマナのフルネームに“D=d”が含まれる事が分かりました。(ミドルネーム?)
もしこれがマナだけのもので ネアは持たないものだとすると、やっぱり
“mad・a(狂ったアダム)”になる運命だったマナ=“d”を救う為、ネア=“n”が身代わりになるって話になる?
うーん。
こういうアナグラムは、劇中の人物が意識するものじゃなく 読者サービスのヒントだろうとは思いますが。

ネアが心を鬼にしても守ると誓った「マナとの約束」の内容がこれなのか。
でも35年も留守にしていたネアは、今の伯爵の中にマナが居るとは思ってない・・ですよね?
結界の中という特殊環境で出てきて「千年伯爵ニナル」と言ったのは、ネアとは別の 14番目メモリーの意志表示でしょうし。

後はまた次の展開を待とう←


オープニングあおり。
最悪の邂逅にアレンは・・・!?





路地の出口に待ち構える千年伯爵と 一対一で向き合うアレン。
追い詰められたその表情が凍りつく。
敵と戦う唯一の手段、クラウン・クラウンが言うことをきかない。 案内役のティムまでどこかへ消えてしまった。
来た道を戻る訳にもいかない。 自分が呼び込む災厄にさらさないようジョニーの傍を離れたのだし。


千年伯爵は懐をまさぐり、縞模様の風船を1個取り出した。
そして自身が風船のように空気を吸って膨らむと、ぷぅぅぅぅぅぅぅ・・・と呼気を一気に吐き出し
一瞬で巨大風船を膨らませた。

[アレン] 「・・・・・・っ!?」「風船・・・?」

一瞬あっけに取られるアレン。
しかしのんびりしている場合ではない。勇気を奮って相手に問う。
[アレン] 「伯爵・・・っ  だよな・・・・・・?」
(アポクリフォスを誘き寄せるエサとしてしばらく放っとくって魔眼のノアが言ってたのに・・・)
(まさか もう僕を迎えに・・・!?)


そこへ出し抜けにバリバリバリ・・と電撃が襲った。アレンは悲鳴を上げて飛び上がる。
「がっ・・・・・・ は」「ビ ビリビリす・・・・・・」
体が麻痺しており 地面に突っ伏した体勢からなかなか起き上がれない。
そこへ追い討ちをかける強烈な一撃が。バギャッ
[アレン] 「んが!!」
「くっ くそ・・・教団出てまで科学班の発明に苦しめられるなんて・・・・・・ッ」

※アレンは現在、互いが半径20m以上離れると高圧電流が発生する手錠でジョニー・ギルと繋がれている最中である

無駄と分かってはいても何とか外れないものか 手錠を未練がましくかじっていたアレン。
その頭上がふっと暗くなったのを感じ上を向くと、あの風船玉に乗った千年伯爵がまっすぐ降って来るところだった。
[千年伯爵] 「つ か マ エ タv」
[アレン] 「どわッ!?」

アレンはすんでの所で逃れたが、玉乗りの千年伯爵が落下した地点ではその破壊力に負けた石畳の破片が飛び散った。
伯爵の追跡はなおも止まない。
逃げるアレンをつかまえようと伸ばした腕は膨れ上がって服を裂き、目玉も飛び出してメガネを突き抜けている。

[千年伯爵] 「ネ」「アッ」
[アレン] 「・・・・・・ッ!?」
ゾッとする悪寒に振り返ったアレンは、さらに怖ろしい光景に思わず立ち止まった。
[アレン] 「な・・・ なんだ・・・・・・・・・・・・?」

[千年伯爵] 「我が輩デス・・・v」「ネア・・・・・・」
「どウシて 逃ゲル・・・・・・v」

千年伯爵のボディは路地の幅を超えたサイズに膨張し、両脇の建物を破壊しながらアレンに迫って来ていた。
[千年伯爵] 「我ガ輩ガ・・・ワカらなイ のカ・・・?」


[アレン] (ク・・・ッ 神ノ道化(クラウン・クラウン)ッ) (動いてくれッ 神ノ道化(クラウン・クラウン)!!) 
アレンが 心の中必死でイノセンスに呼びかけるが、バラバラに解けた左腕はざわめくばかり。

(この状況はまずいかもしれない・・・ッ)
(伯爵はいつもとぼけた感じで様子がおかしいけど 今日のこの人は今までで一番変だ・・・!!)
(何しに現れたか知らないけど    とりあえずまるで正気じゃない・・・!!)
(“ネア”・・・“14番目”が表に出てきたことと関係あるのか!?)


その時、ピリッと微かな音と共に千年伯爵の顔の中央に亀裂が走った。
その裂け目はまるで 組み立てた立体パズルが崩れた時のようだった。




千年伯爵が本当におかしいですね。
これまでネアを「ネア」と呼んだことは一切なかったですよ。
方舟を奪われた時には心底憎々しげに「腐った羊」と罵倒していたくらいで。
伯爵にとって大切なのはメモリーの14番目だけで、かつて裏切った宿主など憎むべき対象でしかないと思いますが。
ここに出てきたのは、いつものノア筆頭・千年伯爵の意識ではなく 弟を慕い続けたマナの方ということでしょう。

アレンが想像したように、ネアの記憶の復活に影響され、共鳴したマナの魂の記憶も戻りつつあるようですね。
しかし口ぶりはいつもの千年伯爵のまま。
自己認識は千年伯爵のそれと混線しているようですし、肉体のコントロールもめちゃくちゃ。

「我が輩デス・・・v」「ネア・・・どウシて逃ゲル・・・v 我が輩ガ・・・ワカらなイのカ・・・?」

ここの台詞は要注意。
「我が輩」とか「v」という、いつもの伯爵の口癖にだまされてはいけないと思いますよ。
アレンをネアと呼び追い回している彼。
ここでアレンを攻撃しているつもりはなく、意識としては 自分に気付かぬ弟に声をかけ後を追おうとしているマナそのものでしょう。
とても悲痛な 心の叫びに聞こえます。




こんな状態で、これからどうなるのか。



続きます。


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Author:キャンピー
Yahoo!ブログから移動して'12年10月25日オープン。
それ以前の日付記事は旧ブログからの訂正版です。

生年:不明。35年前には存ざ(ry
BD/Btype:8月某日(Leo)/AO型
身長:160cm
体重:標準(自称)
家族:5人。夫と子供3人(男・男・男)
好物:漫画はDグレでお腹一杯。

<他ツイフィールまで> http://twpf.jp/ripvansf
   

Dグレの応援お願いします。
漫画「D.Gray-man」は、2004年5月31日発売の『週刊少年ジャンプ27号(6月14日号)』で連載を開始し、2009年『少年ジャンプ22,23合併号』(第186夜)まで掲載。 以降2009年『赤マルジャンプ9月20日号」に第187夜掲載を経た後、第188夜からは同年11月発売の月刊『ジャンプSQ.2009年12月号』で連載再開。そこから2013年刊行の『SQ.2013年2月号』の第218夜までを掲載。 同年『SQ.4月号』誌上で編集部より「再開未定の一時休載」告知。 2年半の長期休載を経て、2015年7月17日発売の季刊誌『ジャンプSQ.CROWN(スクエアクラウン)』に場を移し連載が再開しました。 その後、掲載誌は2018年4月16日発売号より『SQ.RISE(スクエアライズ)』とタイトルを変えてリニューアル。現在も継続中です。 コミックスは2013年11月に24巻発売(第218夜まで収録)・2016年6月3日に25巻発売(第222夜まで)・2019年2月4日に26巻発売(第230夜まで)。      <星野桂先生のインスタグラムアカウント(@Katsura_5600)も現在元気に更新中>   
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