2019.07.28(Sun)
第233夜「A.Wに別れを告げる・The way of the Three」②
星野先生がインスタで「一度アポられてピンチ」と仰っていたカラー扉絵ですが、そんなことがあったとは思えない素晴らしさに何度でも見入ってしまいます。 細部の描きこみ、塗りの立体感
何より並んだ人選の妙もですね! 主人公アレン・ウォーカーと、その人格形成に関わったキーマン二人ですから。
ただこれがアレンの成長物語であるなら、いつか彼らとの別離も必定でしょうか… (ちょっとしんみり)
そういえば、右ページのマナのポーズでこれを思い出した人も多かったんじゃないかな?
さすが「親子」ですよね。 雰囲気がよく似てる。

(画像: 左は『季刊エス』2016年4月号29頁より/右は『ジャンプSQ.RISE』2019年SUMMER号巻頭カラー扉より)
左のアレンが手にしているのは 第173夜(18巻)で描かれたのと同タイプの仮面。
今回の扉絵で持っている面とはデザインも違うし、マナのピエロメイクと同じく右の目に縦線が入っています。
「マナの仮面」もこれだけ何度も強調されると、「A.W.に別れを告げる」のはこの仮面のことだったりして (^^; 大分無理がありそ~w
「The way of the Three」のタイトルどおり、本編は三部構成でクロス・アレン・マナ三者三様の姿が描かれます。
◇ クロス・マリアン
とある荘厳な佇まいの大聖堂。 そこにクロスが足を踏み入れた時は既に遅く、クモの網のようなもので天井高く吊るされた男の身体はAKUMAウィルスの浸蝕が始まっていた。
助けが間に合わなかったことを詫びるクロスに、彼は「構うな 探しものをみつけろ 友よ…!」 と言い遺し砕け散った。
その時 犠牲者の背後から、網を張った張本人らしい 豪華なドレスをまとった一つ目のAKUMAが飛び出してきた。
「クロス・マリアン」「伯爵ノ正体ヲ知ル男…」 「殺セ!」 「殺セ!」
その化物が親グモなのか、クロスの周囲は 同じ顔に胴体がクモのような造形のAKUMA達であっという間に埋め尽くされた。
「なぁ神よ 人の命よりも大事なのかね」 「使命ってのは…」
「あんたはいつだって無言だ」
断罪者が火を噴き 全てを終わらせた。
再び静まり返った聖堂の中で、クロスはティムが再生するサーカスの少年の映像を横目に 呟いた。
「奇妙な腕をしたガキだな…」 「十字架を抱く腕… イノセンスか?」
「イノセンスなら奇怪を起こすはず… こいつにその兆候はみられないが」
「仮に適合者だとしても構ってるヒマはない むしろ今の状態のマナにイノセンスを近づければ何が起こるかわからん」
「…殺すか…?」
--- ※35年前ネアの宿主となった“アレン”は若くても30代のはず こいつがオレの探してる宿主である可能性は皆無だ ---
--- ガキを手に掛けたくはないが 状況によってはマナを優先させてもらう ---
物騒な言葉を吐く製造者に向かって「ガア!! ガァア」と猛抗議のティム。
クロスは俺だってそうなってほしくねぇと愚痴をこぼした。
「マナは現在自分が千年伯爵であることを忘れている」
「ネアを喰ったことも忘れて奴を探して彷徨ってるが いつまた伯爵に戻るかわからん」
「言い換えれば今はハートにとって千年伯爵を破壊する絶好のチャンスってことだ」
どうしたもんか、いつになりゃ辿り着けるんだ、と 彼の苦悩は尽きなかった。
※ ここで“重箱の隅”ですが一点。「35年前ネアの宿主となった“アレン”は若くても30代のはず」という箇所が変ですね。
只今進行中なのはアレン・ウォーカーがサーカス時代(7歳ごろ)の話ですから、現在16歳のアレンらからみれば9年前です。
そうしますとこの過去編のリアルタイムではネアの死後25,6年(≒四半世紀)が経過したところ。 さすがにここは修正入るかな。
本題に戻ります。
● 「友よ…!」という呼びかけ
非情に形式ばったセリフですよねぇ… う~~ん。
ちょっと芝居めいてすらいて、実際の友達相手にはまず使わない表現じゃないかと。 会話に登場する不自然さが否めません。
大体、あのクロス・マリアンという破天荒な男と友情を交わすほどの人物なら、最期くらいはもっと血の通った言葉を発して欲しい。
しかし彼の口からは 「キミはキミの使命を全う(しろ)」とか、「探しものをみつけろ」(←これもきっとクロスが負った“使命”の事でしょう)とかしか… 結局クロス本人の心配はしてくれてないですよねぇこれ。
何がどうでも「使命」こそが最優先のようで、言うだけ言ったら後は笑顔で死んで行くなど、その様子は何かカルト集団に洗脳されたっぽい印象すら受けます。
(普通に感じはいい人に見えますが…ごめんなさい)
さらに「友よ」という声掛けは、あの 宿で35年ぶりに目覚めた時のネアもやっていましたね。
あそこのシーン(第215夜)も、色々と引っかかるものがあったんでした。
終始ラフな口調の持ち主、かなり頼りにしていたっぽい大人まで「不良」呼ばわりするような 生意気盛りの17歳男子がですよ。
それが、あそこだけ神妙に「…アレン さよなら友よ」っていうのがどうもね~(;´∀`) バランス悪い。
「友」と呼ばれた相方も、自分が犠牲になることを何の躊躇いもなく申し出るような回想があったりで。 その提案にネアが乗ったわけ? いくら親しい間柄としても、いやだからこそ それってどうなの…?! と色々疑問符が付くところでした。
ただ、元がそういう“特別な目的を帯びた集団”の人達だったということならアリかな。(納得はしてないですが)
まとめますと あの「友」とは、某集団特有の 同志間での呼称か。
キリスト教徒に例えれば「兄弟・姉妹」みたいなものではないかと。
そんなこんなで、これまで少々現実感が乏しかったルベリエ長官のあの話題、
「室長 これって怖~い話だと思いませんか?」
「得体のしれないノア それを崇める人間が集まって 何か企てている ような」(第137夜)
という辺りもにわかに信憑性を帯びてきました。
ルベリエの話の中の中央庁に助けを求めてきたという「老人」も、たしかに実在するのでしょう。
ただし伯爵が怖くて保護を…という説明はウソ。 彼は元の組織を裏切ってはおらず単にスパイとして送り込まれた人員で、目的は14番目情報を教団側にリークし、それによってアレンを孤立させ しまいには教団から分断すること。ですよね。
教団も 方舟が手に入りこれからというタイミングで貴重な奏者に難癖をつけて手放すとはあり得ない悪手ですが、教団の意思と別に奏者をアポクリフォスと合体させるのが目的ならば好都合。 その前に、お役御免で邪魔になってきた師匠(クロス)も排除。
この辺りはもちろん、これまでのあれこれを拾って繋げた想像ですが、「得体のしれないノア(14番目)」を崇める集団=14番目の遺志を継ぐものたち」とは、その頂点に「ハートの御方」を据え 中央庁トップの教皇とは別の意志で動いている秘密組織であって、アポのようにあちこちに潜入しながら 「14番目の遺志」を金科玉条にやりたい放題ということかな。
(まあしかし現人類はやっと100年前に千年伯爵の脅威を知らされて 以後「黒の教団」を立ち上げエクソシストを戦力に「聖戦」に邁進しだしたわけなので、少なくとも7000年前から伯爵率いるノア達と戦い続けてきた「ハート」集団にとっては、大仰な中央庁とか下位組織の黒の教団なんて“仮の宿”みたいなもので、吹けば飛ぶような存在かも知れません)
つまる所「ハートの御方」集団に「14番目の遺志を継ぐ」とかで祭り上げられたネア本人には、事実上何の決定権も無かったと。
彼は自分が眠っている35年間のことは何も知らず。 復活までそんなに時間がかかるとも思わなかったし、その間に守りたかったマナも頼りにしていたクロスも死んでいて マナを飲み込んだ千年伯爵はさらに強大化し…
35年後の世界が何もかも想定外なだけだったら、組織の他のメンバーと手を取り合って対抗策を練ればいいでしょう。
でも記録映像を見て現状を知ったネアは、逆にここでかつての仲間に対し絶縁宣言をするんですよ。
クロスも自分も、奴らにすっかり騙されていたことをようやく自覚したんだと思いますね。
● 現段階 まだクロスはサーカスの少年の正体を見抜けないでいる。
小説版で、街に出た少年に初対面のクロスが「アレンか?」と尋ねるシーンもあるから、まあその通りなんでしょうが。
個人的にはティムキャンピーのネア探知能力にかなり期待していたのですよね(ゴーレムだし)。 でも、そううまくはいかなかった様子。
ではクロスがネアの存在に気付いたのは一体いつだったのか。
少なくとも3年後に瀕死のアレンをマザーの教会に担ぎ込んだ時点では“それ”を知ってて血相を変えていたんですよね。
情報不足なので、展開をしばらく様子見です。
● (今の状態の)マナにイノセンスを近づければ大変なことになるらしい(「何が起こるかわからん」) そして、いつまた伯爵に戻るか分からない
伯爵の「皮」はマナの妄想の産物ではなく、確かに見える形で彼とは独立に存在していて、逃亡中の兄弟を追いかけたり AKUMAを操って人を襲ったり マナが死んだ後でも彼の魂を呼び寄せるようアレンを誘惑している姿が見られます。
一方「皮」と分離している時のマナは、戦闘力をまるで持たないようで(回想でもネアに庇われている一方)、伯爵になっていた間の悪事はすっかり忘れているし、七千年間若い姿でいた昔の伯爵と違い普通人とほぼ同ペースの老化ぶり(17歳+26年)。
なので、ノアの肉体からすっかり普通人の身体に戻れているのだと思っていましたが、そう話は甘くはないようで。
何より“人体に触れれば細胞が壊死する”とされる「ダークマターの塊(伯爵の魂)」を いつでもまたその身に受け入れられるのなら、もはや“普通”とは言い難いですね。
では、イノセンスを近づけると起こるかもしれないこととは…?
想像するしかないですが、ネアが現れるより前に万一マナがイノセンスに襲われるようなことがあれば 適合者を殺してでも守らなければならないという話でしょうか?
マナが「千年伯爵」になっていなくても、世界に一つしかない“伯爵の器”の存在を感知したイノセンスが自発的にマナに襲いかかる可能性があるとでも?
(「適合者を殺してでも」なんて、戦力増強のため世界中イノセンスを探し回ったり、人造使徒計画に血道を上げている教団関係者が聞いたら卒倒しそうな話ですが。 これが「ハートの御方」の方針だとしたら、大義を前にした人命も軽く見られたものですね)
とにかく この辺の事情が分かれば、小説版でのクロスの謎行動の数々にも理由がつけられそうですね。
・ 何も知らない会ったばかりの子供相手に殺気をみなぎらせて「マナには近づくな」と脅したこと、 適合者である自分もまた マナからは遠く離れて彼を見守っていたこと
・ 少年がマナを左腕(イノセンス)で殴った時 火花のようなものが散ったこと、 その後のマナの様子が明らかにおかしくなったこと、 クロスが「お前のせいだ」と言い捨てていったこと等々。
● 今はハートにとって千年伯爵を破壊する絶好のチャンス
「千年伯爵の破壊」=「器であるマナの殺害」という解釈でいいでしょうか?
ハートとしては一日も早く千年伯爵を倒したい。 しかしネアがマナの傍に姿を現すまではそうできない特別な事情があって、今はひたすら我慢?
逆に考えれば ここから3年後のマナの死は、その頃ようやくアレンの中のネアの存在がハート側に知られたから起きたのかも。
ただハートにも誤算があって、マナの死後も魂を呼び出すことで千年伯爵を復活させる手段があるとは考えもしなかったとか。(…ちょっとマヌケ過ぎますかねww)
グダグダですが、キリがないのでクロスの章はここまでにいたします。
それではまた。
何より並んだ人選の妙もですね! 主人公アレン・ウォーカーと、その人格形成に関わったキーマン二人ですから。
ただこれがアレンの成長物語であるなら、いつか彼らとの別離も必定でしょうか… (ちょっとしんみり)
そういえば、右ページのマナのポーズでこれを思い出した人も多かったんじゃないかな?
さすが「親子」ですよね。 雰囲気がよく似てる。

(画像: 左は『季刊エス』2016年4月号29頁より/右は『ジャンプSQ.RISE』2019年SUMMER号巻頭カラー扉より)
左のアレンが手にしているのは 第173夜(18巻)で描かれたのと同タイプの仮面。
今回の扉絵で持っている面とはデザインも違うし、マナのピエロメイクと同じく右の目に縦線が入っています。
「マナの仮面」もこれだけ何度も強調されると、「A.W.に別れを告げる」のはこの仮面のことだったりして (^^; 大分無理がありそ~w
「The way of the Three」のタイトルどおり、本編は三部構成でクロス・アレン・マナ三者三様の姿が描かれます。
◇ クロス・マリアン
とある荘厳な佇まいの大聖堂。 そこにクロスが足を踏み入れた時は既に遅く、クモの網のようなもので天井高く吊るされた男の身体はAKUMAウィルスの浸蝕が始まっていた。
助けが間に合わなかったことを詫びるクロスに、彼は「構うな 探しものをみつけろ 友よ…!」 と言い遺し砕け散った。
その時 犠牲者の背後から、網を張った張本人らしい 豪華なドレスをまとった一つ目のAKUMAが飛び出してきた。
「クロス・マリアン」「伯爵ノ正体ヲ知ル男…」 「殺セ!」 「殺セ!」
その化物が親グモなのか、クロスの周囲は 同じ顔に胴体がクモのような造形のAKUMA達であっという間に埋め尽くされた。
「なぁ神よ 人の命よりも大事なのかね」 「使命ってのは…」
「あんたはいつだって無言だ」
断罪者が火を噴き 全てを終わらせた。
再び静まり返った聖堂の中で、クロスはティムが再生するサーカスの少年の映像を横目に 呟いた。
「奇妙な腕をしたガキだな…」 「十字架を抱く腕… イノセンスか?」
「イノセンスなら奇怪を起こすはず… こいつにその兆候はみられないが」
「仮に適合者だとしても構ってるヒマはない むしろ今の状態のマナにイノセンスを近づければ何が起こるかわからん」
「…殺すか…?」
--- ※35年前ネアの宿主となった“アレン”は若くても30代のはず こいつがオレの探してる宿主である可能性は皆無だ ---
--- ガキを手に掛けたくはないが 状況によってはマナを優先させてもらう ---
物騒な言葉を吐く製造者に向かって「ガア!! ガァア」と猛抗議のティム。
クロスは俺だってそうなってほしくねぇと愚痴をこぼした。
「マナは現在自分が千年伯爵であることを忘れている」
「ネアを喰ったことも忘れて奴を探して彷徨ってるが いつまた伯爵に戻るかわからん」
「言い換えれば今はハートにとって千年伯爵を破壊する絶好のチャンスってことだ」
どうしたもんか、いつになりゃ辿り着けるんだ、と 彼の苦悩は尽きなかった。
※ ここで“重箱の隅”ですが一点。「35年前ネアの宿主となった“アレン”は若くても30代のはず」という箇所が変ですね。
只今進行中なのはアレン・ウォーカーがサーカス時代(7歳ごろ)の話ですから、現在16歳のアレンらからみれば9年前です。
そうしますとこの過去編のリアルタイムではネアの死後25,6年(≒四半世紀)が経過したところ。 さすがにここは修正入るかな。
本題に戻ります。
● 「友よ…!」という呼びかけ
非情に形式ばったセリフですよねぇ… う~~ん。
ちょっと芝居めいてすらいて、実際の友達相手にはまず使わない表現じゃないかと。 会話に登場する不自然さが否めません。
大体、あのクロス・マリアンという破天荒な男と友情を交わすほどの人物なら、最期くらいはもっと血の通った言葉を発して欲しい。
しかし彼の口からは 「キミはキミの使命を全う(しろ)」とか、「探しものをみつけろ」(←これもきっとクロスが負った“使命”の事でしょう)とかしか… 結局クロス本人の心配はしてくれてないですよねぇこれ。
何がどうでも「使命」こそが最優先のようで、言うだけ言ったら後は笑顔で死んで行くなど、その様子は何かカルト集団に洗脳されたっぽい印象すら受けます。
(普通に感じはいい人に見えますが…ごめんなさい)
さらに「友よ」という声掛けは、あの 宿で35年ぶりに目覚めた時のネアもやっていましたね。
あそこのシーン(第215夜)も、色々と引っかかるものがあったんでした。
終始ラフな口調の持ち主、かなり頼りにしていたっぽい大人まで「不良」呼ばわりするような 生意気盛りの17歳男子がですよ。
それが、あそこだけ神妙に「…アレン さよなら友よ」っていうのがどうもね~(;´∀`) バランス悪い。
「友」と呼ばれた相方も、自分が犠牲になることを何の躊躇いもなく申し出るような回想があったりで。 その提案にネアが乗ったわけ? いくら親しい間柄としても、いやだからこそ それってどうなの…?! と色々疑問符が付くところでした。
ただ、元がそういう“特別な目的を帯びた集団”の人達だったということならアリかな。(納得はしてないですが)
まとめますと あの「友」とは、某集団特有の 同志間での呼称か。
キリスト教徒に例えれば「兄弟・姉妹」みたいなものではないかと。
そんなこんなで、これまで少々現実感が乏しかったルベリエ長官のあの話題、
「室長 これって怖~い話だと思いませんか?」
「得体のしれないノア それを崇める人間が集まって 何か企てている ような」(第137夜)
という辺りもにわかに信憑性を帯びてきました。
ルベリエの話の中の中央庁に助けを求めてきたという「老人」も、たしかに実在するのでしょう。
ただし伯爵が怖くて保護を…という説明はウソ。 彼は元の組織を裏切ってはおらず単にスパイとして送り込まれた人員で、目的は14番目情報を教団側にリークし、それによってアレンを孤立させ しまいには教団から分断すること。ですよね。
教団も 方舟が手に入りこれからというタイミングで貴重な奏者に難癖をつけて手放すとはあり得ない悪手ですが、教団の意思と別に奏者をアポクリフォスと合体させるのが目的ならば好都合。 その前に、お役御免で邪魔になってきた師匠(クロス)も排除。
この辺りはもちろん、これまでのあれこれを拾って繋げた想像ですが、「得体のしれないノア(14番目)」を崇める集団=14番目の遺志を継ぐものたち」とは、その頂点に「ハートの御方」を据え 中央庁トップの教皇とは別の意志で動いている秘密組織であって、アポのようにあちこちに潜入しながら 「14番目の遺志」を金科玉条にやりたい放題ということかな。
(まあしかし現人類はやっと100年前に千年伯爵の脅威を知らされて 以後「黒の教団」を立ち上げエクソシストを戦力に「聖戦」に邁進しだしたわけなので、少なくとも7000年前から伯爵率いるノア達と戦い続けてきた「ハート」集団にとっては、大仰な中央庁とか下位組織の黒の教団なんて“仮の宿”みたいなもので、吹けば飛ぶような存在かも知れません)
つまる所「ハートの御方」集団に「14番目の遺志を継ぐ」とかで祭り上げられたネア本人には、事実上何の決定権も無かったと。
彼は自分が眠っている35年間のことは何も知らず。 復活までそんなに時間がかかるとも思わなかったし、その間に守りたかったマナも頼りにしていたクロスも死んでいて マナを飲み込んだ千年伯爵はさらに強大化し…
35年後の世界が何もかも想定外なだけだったら、組織の他のメンバーと手を取り合って対抗策を練ればいいでしょう。
でも記録映像を見て現状を知ったネアは、逆にここでかつての仲間に対し絶縁宣言をするんですよ。
クロスも自分も、奴らにすっかり騙されていたことをようやく自覚したんだと思いますね。
● 現段階 まだクロスはサーカスの少年の正体を見抜けないでいる。
小説版で、街に出た少年に初対面のクロスが「アレンか?」と尋ねるシーンもあるから、まあその通りなんでしょうが。
個人的にはティムキャンピーのネア探知能力にかなり期待していたのですよね(ゴーレムだし)。 でも、そううまくはいかなかった様子。
ではクロスがネアの存在に気付いたのは一体いつだったのか。
少なくとも3年後に瀕死のアレンをマザーの教会に担ぎ込んだ時点では“それ”を知ってて血相を変えていたんですよね。
情報不足なので、展開をしばらく様子見です。
● (今の状態の)マナにイノセンスを近づければ大変なことになるらしい(「何が起こるかわからん」) そして、いつまた伯爵に戻るか分からない
伯爵の「皮」はマナの妄想の産物ではなく、確かに見える形で彼とは独立に存在していて、逃亡中の兄弟を追いかけたり AKUMAを操って人を襲ったり マナが死んだ後でも彼の魂を呼び寄せるようアレンを誘惑している姿が見られます。
一方「皮」と分離している時のマナは、戦闘力をまるで持たないようで(回想でもネアに庇われている一方)、伯爵になっていた間の悪事はすっかり忘れているし、七千年間若い姿でいた昔の伯爵と違い普通人とほぼ同ペースの老化ぶり(17歳+26年)。
なので、ノアの肉体からすっかり普通人の身体に戻れているのだと思っていましたが、そう話は甘くはないようで。
何より“人体に触れれば細胞が壊死する”とされる「ダークマターの塊(伯爵の魂)」を いつでもまたその身に受け入れられるのなら、もはや“普通”とは言い難いですね。
では、イノセンスを近づけると起こるかもしれないこととは…?
想像するしかないですが、ネアが現れるより前に万一マナがイノセンスに襲われるようなことがあれば 適合者を殺してでも守らなければならないという話でしょうか?
マナが「千年伯爵」になっていなくても、世界に一つしかない“伯爵の器”の存在を感知したイノセンスが自発的にマナに襲いかかる可能性があるとでも?
(「適合者を殺してでも」なんて、戦力増強のため世界中イノセンスを探し回ったり、人造使徒計画に血道を上げている教団関係者が聞いたら卒倒しそうな話ですが。 これが「ハートの御方」の方針だとしたら、大義を前にした人命も軽く見られたものですね)
とにかく この辺の事情が分かれば、小説版でのクロスの謎行動の数々にも理由がつけられそうですね。
・ 何も知らない会ったばかりの子供相手に殺気をみなぎらせて「マナには近づくな」と脅したこと、 適合者である自分もまた マナからは遠く離れて彼を見守っていたこと
・ 少年がマナを左腕(イノセンス)で殴った時 火花のようなものが散ったこと、 その後のマナの様子が明らかにおかしくなったこと、 クロスが「お前のせいだ」と言い捨てていったこと等々。
● 今はハートにとって千年伯爵を破壊する絶好のチャンス
「千年伯爵の破壊」=「器であるマナの殺害」という解釈でいいでしょうか?
ハートとしては一日も早く千年伯爵を倒したい。 しかしネアがマナの傍に姿を現すまではそうできない特別な事情があって、今はひたすら我慢?
逆に考えれば ここから3年後のマナの死は、その頃ようやくアレンの中のネアの存在がハート側に知られたから起きたのかも。
ただハートにも誤算があって、マナの死後も魂を呼び出すことで千年伯爵を復活させる手段があるとは考えもしなかったとか。(…ちょっとマヌケ過ぎますかねww)
グダグダですが、キリがないのでクロスの章はここまでにいたします。
それではまた。
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