彼(か)のピエロだよ。 (『愚者』マルセイユver.)  

昨日の記事(第210夜ネタバレ)で、ジョニーが出会った大道芸人を「ピエロ」と書きました。 現に彼がそう言ってますからね。
普通そう呼ばれるので、Dグレでもそれに習ったということでしょう。
でも本当はこういうタイプの芸人さんは“クラウン=CLOWN”の呼び名の方が良いそうです。
より広義の、総称としての「道化」と同じ。
(第21夜の 「僕小さい頃ピエロやってたんですよ」も、英語版では“I WAS A CLOWN ---”なんですよね)


19世紀後半のイギリスでは、彼らは「サーカスクラウン」と呼ばれ、人気者でした。
世界の道化の発生・分岐・発達まで、追っていくと非常~に奥深い世界です(←追いきれない言い訳)。
こちらのサイトの説明が比較的分かりやすいか。

日本では仏語から来た「ピエロ」の名が、それの指す範囲も膨らんだまま一律に定着してしまいました。
カタカナにすると英語の「クラウン」は“王冠=CROWN”と紛らわしい所為だからなのか。
でもだからこそ Dグレの“クラウン・クラウン=Crown(ed) Clown”という命名は面白いんですけどね。

 

何でタロットコーナーで「ピエロ」の話をしているかというと、
『愚者= THE FOOL 』のモデルも元は「馬鹿」というより「(道化師の)フール」だったからです。

ジョニーに絡めて説明したウェイト版カードの図柄では 『愚者』は旅立つ若者として描かれ、その解釈も前述通りですが、
より歴史の古いマルセイユ版を踏襲したカードでは 人物は道化師の格好で角と鈴付きのフールズキャップを被っています。 
例えばこんな様子。



右の装束なんかは、マナと一緒の頃の小さいアレン君に似合いそうですよね(^^)

これは、トランプ・ジョーカーのカードの枠に納まった第123夜の扉の道化の姿にも通じます。
あの、退魔ノ剣を(アレンだったら有りえない)左手で握って マスクを被り 玉乗りしている人物。

ジョーカー。
トランプのうちではナンバーが付かないカードですが、これが1~13の次=14番目とも言えそうですね。
ゲームでは、しばしば正規のルールを破る力を持つもの(ワイルドカード)だったりします。

123th-10.jpg


---  これは恐らくネアの事なんだろうな  ---

こっちの『愚者』カード。 
マルセイユ版の解釈によれば、ある時は何らかの目的を持って旅をする人物であり、
行く先々で 望むと望まざるとに拘わらず周囲に波乱を巻き起こすトリックスター的な性質も示唆されている。
愚行と計算高さの両面の象徴も出ているそうです。 
なかなか難しい人ですね(笑)

アレン・ウォーカーという人物の中に様々な要素が絡み合うのは、
本人が意識せずとも 人生にこの道化の影響が出ているという事なんでしょうかね・・・・・・
35年も前に目的を持って始められた旅なんですから。



最近になって改めて読み返すと、第118夜のロードの台詞も意味深です。

「あれは----   貴方(あなた)が悪魔に為損(しそこ)なった 彼(か)のピエロだよ。」

英訳では、ここの「悪魔」は殺戮兵器“AKUMA”とは区別され、文字通りの悪魔=“DEMON”でした。
「悪魔」の区分たって言い出すと面倒くさいのですが、大雑把に←「魔物」的意味合いで。
さらに気になるのは、何故かここの「ピエロ」訳が“CLOWN”じゃなく“少年=BOY”になってたことで・・・

すると少なくとも、アレンが墓前で魂を呼び寄せてしまった「おじさん」時代のマナの事ではない。
千年伯爵が昔、17歳のマナ少年を何か恐ろしいものに仕立てようとした事を指すのか、
それともネア少年の方の話なのか。
具体的にさっぱり見えてこないのがもどかしいです。 マナとネアの過去、早く知りたいなあ。





本日も寄り道してしまいましたが、この辺で終わります。







<使用カード詳細>
“Old English Tarot” / Maggie Kneen
 United States Games Systems: Crds版 (1997/07)

“Favole Tarot [Perfect]” / Fournier(作),Viktoria Francs(イラスト)
 Koenigsfurt-Urania (2008/01)

<本編画像引用>
『D.Gray-man13巻』第123夜「闇の吟(こえ)」から。


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