「アレン ・ お前を ・ 愛してるぞ」。

クロスがアレンに初めて“14番目”の具体的な話を語った時の内容。(17巻第167夜「アンジ」)

       1. 14番目は、あのマナが必死で探し続けていた実の弟だった事。
       2. 14番目のメモリーが既にアレンに移植されていて、自我が飲まれるのは時間の問題という事。


普通ならまずは2.の方=“自分消失”への恐怖が先立つと思いますが、アレンの反応は違いました。

ガックリうなだれた彼が呟いたのは。
「そういうこと・・・」「なんだ それ・・・」  「マナが 愛してるっていったのは」「僕か それとも どっちに・・・」

彼が自分の運命もそっちのけで最もショックを受けていたのは、自分が本当にマナに愛されていたのかという事への疑惑。
台詞の「愛してるっていったのは」のところ、具体的にはマナをAKUMAにしてしまったあの晩の事件を指しているんですよね。

マナの魂がアレンに向けた最期の言葉。
「アレン・・・  お前を・・・  愛してるぞ・・・」  「壊してくれ」   (1巻第3夜)


もう肉体のしがらみからは解き放たれて 魂だけが壊れかけた魔導式ボディに留まっていた状況のマナ。
だから彼にはあの時 自分の過去の記憶も戻り、アレンの身体が内包するものすべての正体が見通せたはずと思います。
ことに「アレン」と名指しした以上、それは目の前の少年に言ったものに違いないと思うんですが。
アレンはこの時どうして あれは自分への言葉ではなかったかもという疑いを持ったんでしょう。

(“14番目”と呼ばれるようになったマナの弟の本名こそ「アレン」だったんじゃないか?)
(自分の中にいる本物の「アレン」に向けて、マナは「愛している」と言ったんじゃないか?)
(出会った時はもう記憶が定かでなかったマナが、愛犬に付けていた名前が「アレン」。
弟を誰より愛していたマナは その名だけは覚えていたって事じゃないか?)

こんな感じでしょうか。
でもその後“14番目”の本名は「ネア」だという事をアレンも知ったので、この疑問は解消したんですよね。


ひとつ、ずっと引っ掛かっていた事がありました。
マナはネアと一緒の昔からずっと話し言葉はデスマス調だったようなのに(「ネア 僕が憎くないんですか」第212夜)、
何故ここではそうじゃなかったのか。

最近出した結論ですが、これはマナが弟(ネア)ではなく息子(アレン)に向けて言いたかった言葉だからじゃないかと。
父と子として共に過ごした日々の締めくくりに、アレンをちゃんと愛していたことを伝えたかったのだと思います。

赤腕少年と出逢ったマナは、確かに彼を愛していた。



マナが愛犬に「アレン」の名を付けていた理由は今も謎です。
それはネアが「アレン」に転生する計画があった事を かつてマナも聞かされて知っていたからではないでしょうか。
その名の意味するところの記憶が、アポクリフォスの手で封じられたのか弟の死のショックで壊れてしまったのかは不明ですが
記憶障害に陥ってもその名だけは手放さなかったのは、それだけ強い兄弟愛で結ばれていたことの証ではないかと。



ところで、あの会見の時のクロス・マリアン。

改めてアレンの受けた心の傷の深さを思い、柄にもなく彼を抱き寄せてしまったりしていましたが、
マナの弟の本名は「ネア」だったと教えてやればその場でアレンは救われたかも知れないのに、決してその名を出しませんでした。
色々と情報開示が中途半端だったのは、おそらくここが中央庁監視の下に行われた会見だから。
(だからこそのサブタイトル「アンジ=暗示」。彼のあの時の台詞はなかなか鵜呑みに出来ないと思います)

結局劇中でクロスは マザーにしか「ネア」の名を出してない。
いかにも裏がありそうなルベリエに密約で「すべてを話した」なんて、きっと本当の事じゃないでしょう。

ロードにしても アレンと二人きりになってからやっと「ナイショ」の話でネアの名を口にしていました。


どうして「ネア」という名がここまで伏せられているのか・・・大変気になるところです。






関連記事

0 Comments

まだコメントはありません