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第217夜(6)「A.Wをたずねて・One seat empty」



師弟久々の再会もそっちのけで様子がおかしい神田と、尋常でない壊され方をしたクロス製のゴーレム。
ここで一体何があったのか。 嫌な予感に、ティエドールは青ざめた。
「神田 おまえまさか・・・・・・・・・」


だがその続きは、ファインダーの呼び声に遮られた。
[隊員A] 「ティエドール元帥!!!
振り返るティエドール。
[ティエドール] 「なんだい?」

[隊員A] 「た 大変です」
通りに面した通路の出口でこちらを見守っていた3人。その通信ゴーレムが警報音を出している。

[隊員A] 「別動隊から応援要請です」 「ここから東南の地点で アレン・ウォーカーを発見!!

「科学班のギルも一緒です。 すぐ先の駅へ向かってます」



それを聞いて顔色を変える神田。

3人は慌しくその場を離れ、神田とティエドールの2人だけが残された。


神田は抱えていたティムキャンピーの亡骸を地面にそっと戻すと、やにわに師匠の胸倉に掴みかかった。

しかしティエドールの方は慣れたもので、さっぱり動ずることなく間近に迫った神田の顔をじっと眺めている。

[神田] 「・・・・・・・・・」   「・・・・・・・・・」
気勢を削がれすっかり調子の狂った神田は、何か言おうとするが声にならない。
悔しそうに師を睨みつけるばかり。

[ティエドール] 「ぷっ」  「あははははははは」
[神田] !! 「何だよ!!

神田の抗議も空しく 涙を出して笑い続けるティエドール。
[ティエドール] 「やーキミはホントあはっ あはははは」 「ぶっ不器用だなーと思って」
「小さいときから ホント変わらなひ・・」
「便秘みたいな顔してさぁ・・・」


[神田] 「はぁ?(怒)」

[ティエドール] 「私に頼み事があるんだろう?」
[神田] 


ティエドールは笑うのをピタリと止め、神田の顔を改めて見やった。

「おかえり ユーくん」 「キミに会えて本当に本当に私は嬉しい。 これを先に言うのを忘れていたね」

「コムイから知らせもらってかけつけたんだよー」

「表向きは神田ユウの追跡及び捕獲任務だが 私がここへ来た目的はひとつだ。」 

「可愛い弟子のキミを守ること

「だがどうやらキミはだいぶ危なっかしいことをしていたようだな」




神田はとうとう思いつめた様子で切り出した。

「・・・・・・頼みます元帥・・・・・・・・・・・・」

「あいつが“14番目”になった時は俺が必ず斬る・・・・・・」

「だが今は あいつらを行かせてやってほしい」

「ダメというなら俺は今ここであんたを殴って気絶させる」



頼みがいつの間にか脅しになっている神田に呆れ顔の元帥。

「さっきも言ったがキミは中央の信用を失ってる」

「しかも今回の件ではまったく弁明の余地がない」

「許しと引き替えにどんなエグイ罰を与えられるか! 私はそれは嫌だ」

「だから条件は 中央庁にキミの忠誠心と力を見せること。それなら協力しよう」

「元帥になりなさい」




思いも寄らぬ話の展開に、神田も思わず目が点になった。

[神田] 「・・・・・・・・・は?」

それには構わず師はもう通りに向かってスタスタ歩き出した。

[ティエドール] 「うまいことにちょーど今(クロスの)席がひとつ空いてるしねー」

[神田] 「えっ」 「ちょ まてオイッ」


行く足を止め、神田の方を振り返ったティエドールは きっぱり言い放った。

「キミの実力はだいぶ前からとうに元帥レベルだ。 臨界点だって実は突破できるの隠してたんじゃないかい?」

彼は試すような目で神田をじっと見た。

「それとも覚悟がないのかな?」 「憎むべき教団の中枢へ入ることに」



神田は一時、観念したように目をつぶる。

(ジョニーを無事送り届けることはできた)  (でも 不可解なこともできた)

----- 不可解 ----- 

枢機卿姿で現れたあの謎の人型イノセンス。 アレンを追って来た自分とティムを襲い、記憶までもいじろうとして・・・

そして死んだ筈だったハワード・リンク。 彼を極秘にアレンの元へ送り込んだルベリエの狙いとは何なのか・・・

黒の教団組織を司る中央庁。

ノアを敵として戦う以前に、ここについても知らない事が多すぎる。


(やるべきことがまだ俺にはある)

(あいつを斬る為に六幻を手にした瞬間から  面倒を背負い込む覚悟はできてんだよ)



[神田] 「上等だ



まっすぐ自分を見据えた神田の 決意の表情を受け、ティエドールは満足気にニコッと笑った。






第217夜ネタバレは以上。

アオリ。
新元帥誕生!!



サブタイトルの「One seat empty」=「空席アリ」。

ちなみに「空席」とは。
1) 空いた席。人のいない席。  2) 欠員になって空いている地位。
今回、もちろん後者ですね。 元帥の座が1つ空いてしまっていて それはクロス・マリアンの分だという。
「地位」。あくまでも教団組織の都合上の話です。

イエーガー元帥の場合は本人死亡、イノセンスも奪われ回復不能で“席”が残っているとは言い難いのでしょうが、
クロスの方は突然の消息不明。生死すら確定せず、教団を裏切った証拠も上がらずといった宙ぶらりんの状況です。
そしてイノセンスの“断罪者”はまだ存在している。
ヘブラスカの判定では残された断罪者の適合権は切れていましたが、それだけで クロスがエクソシストでなくなったという認定には至らないようですね。
同じように六幻を一旦手放し生存も危ぶまれていた神田が 舞い戻って結晶化を遂げてしまった前例がありますしね。

中央庁としては、希少な「エクソシスト」の数を減らす事には余程慎重になっているのでしょうか。
アレンも 教皇令ではっきり「ノアと識別」されながら、エクソシスト権限は剥奪でなく「凍結」でしたから。


ティエドールが愛弟子の処遇を心配する言葉に嘘はないでしょう。
かつて4年も教団を空けていたクロス元帥が方舟と生成工場(プラント)奪取の功績で不問に付されたように、中央庁が渡りに船という存在には甘い事も熟知している。

起死回生の策として神田を元帥の座に送り込むというのは、さらにルベリエに対抗する作戦でもある気がします。
同じ立場で戦える仲間は多いほうがいい。
特別監査役長官として乗り込んできたルベリエの横暴に、室長や元帥らも手を焼いていたのじゃないでしょうか。
臨界点を突破したアレンが結局元帥になれずにいたのも、ルベリエが裏で手を回していたからに見えてしまって。
14番目を自分の扱いやすい駒にするためには 組織の中で力を付けられては困りますからね。

1)方舟戦の中アレンは臨界者となりその様子は大元帥らにも伝わっていましたが、新適合者を含む全員の無事帰還及び敵の拠点の方舟とプラントまで持ち帰るという祝賀ムードを打ち消すように ルベリエが登場してきたんでしたよね。
彼が中央庁から特別監査役長官として乗り込むや、まず14番目疑惑を振りかざしてアレンの存在の危険性をアピール。

2)その後のノア本部襲撃でアレンが教団を守りきる奮闘ぶりを見せたにも関わらず、クロスからわざわざアレンのノア疑惑への決定的証言を引き出して立場を更に悪化させる。

3)北米支部襲撃事件でもアレンが孤軍奮闘で多くの団員の命を救ったのに 神田の逃亡幇助とノア化の方を強調して帰還後は牢に繋ぎ、期待通りノアと共に脱獄させるという演出ぶり。


これから神田を含め、組織の陰謀と闘う“大人組”の活躍も見たいですね。

神田はアポクリフォスの謎にもどこまで迫れるでしょうか。
アレンの傷を見た時感じた、イノセンスのアレンに特別向ける「執着」の正体も。
アポクリフォスは、神田が特殊能力で記憶を取り戻してしまった事などまだ気付いていないでしょうから。
今後は頭脳戦で評価を上げてください神田さん(笑)
ティエドールが「おまえまさか」と言いかけたのも多分こちらの事ですよね。
元帥達はどこまでアポクリフォスの情報を掴んでいるのか気になるところ。



さて。感想(2)でちょっと漏らしてしまった「アレンの安否」への不安。

問題はファインダー達が無線で受けた、応援要請ですよ。

あのアレンが ジョニーを連れて(逃げようと)駅へ向かったって? ・・・・・・有り得なくないですか。
アレンはあの時アポクリフォスの脅威に怯え ジョニーから必死で遠ざかろうとしていたのに。
さらには弱っているなか一番出会いたくなかった千年伯爵まで現れた。
自分自身が全ての災厄を引き寄せているという思いはピークに達しているはずです。
そこへジョニーがたまたま追い付いたって、彼の手を引いて逃げる発想は普通出ないでしょう。
クラウン・クラウンが使えない状態なのですし。
アレンがひとり全力で逃走したらジョニーが追いつけるわけがない。だから後に追いついた可能性も低い。
追われる中、悠長に汽車に乗って逃れようとするのも不自然。
変じゃない所がないくらいの報告です。

もしもあの情報が嘘だとしたら。流しているのは間違いなくノアでしょう。
まず厄介なファインダーを一掃し、それからティエドールと神田を襲うつもりかな。

そもそも伯爵は北米支部でアレンから本格的に14番目を引き出すことに成功して大喜びでしたが、そこではわざとアレンを教団に置いて行きました。
ここまでノア化が顕著になればアポクリフォスが出てくるに違いないと踏んで、エサ代わりにする目的でした。
今回は念願かなってとうとうアポクリフォスを捕まえる事に成功。
(もしジャス・デビがしくじっても、次から次へノアが投入されるでしょう)
そしたらもうアレンを泳がせておく理由はなくなる。
いよいよノア連行ルート来るかなあ。嫌だなー。

まあアポクリフォスが一時的にせよ力を失ったらアレンのイノセンスはまた使えるようになるかも知れません。
アレンの中にはもうネアも起きてますから 出てきて全く違う行動を起こすかも知れない。
このままジョニーも出番を無くしては科学班の名折れですしwww

次回も予想外の展開をお待ちしています。



それでは。 第217夜の感想これで終わります。



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コメント

本日午後2時51分に拍手でコメント下さった方へ。

コメントどうもありがとうございました。


「神田の切り替えの速さ」。

そうですね(^^) 今の憑物が取れたような神田は見ていて清々しいです。
やっと自分がどういう存在であったかを理解した彼は、改めて神田ユウとしての人生を振り返った時 やり足りなかった事への後悔を胸に戻って来たのでしたね。

もっと真剣にアレンのノア化の脅威に立ち向かわねばならなかったこと。
それは アレンにかつて惨劇を起こしたアルマの二の舞をさせない事であると同時に、ホームの仲間を守る事でもあります。

そしてアレンに絡む根深い問題が、味方のイノセンス側にもありそうだと分かってきました。
元帥として組織の中枢に踏み込もうという神田には、今後一層の活躍が期待できるでしょうね。


だがしかし^^;

成長著しい神田は文句なくカッコイイですが、未だ自分探しでウロウロしているアレンが精神年齢でまた差を開けられそうで哀れ・・・ 
実はちょっと微妙な心境だったりしますwww
Secre

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Author:キャンピー
Yahoo!ブログから移動して'12年10月25日オープン。
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生年:不明。35年前には存ざ(ry
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家族:5人。夫と子供3人(男・男・男)
好物:漫画はDグレでお腹一杯。

<他ツイフィールまで> http://twpf.jp/ripvansf
   

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漫画「D.Gray-man」は、2004年5月31日発売の『週刊少年ジャンプ27号(6月14日号)』で連載を開始し、2009年『少年ジャンプ22,23合併号』(第186夜)まで掲載。 以降2009年『赤マルジャンプ9月20日号」に第187夜掲載を経た後、第188夜からは同年11月発売の月刊『ジャンプSQ.2009年12月号』で連載再開。そこから2013年刊行の『SQ.2013年2月号』の第218夜までを掲載。 同年『SQ.4月号』誌上で編集部より「再開未定の一時休載」告知。 2年半の長期休載を経て、2015年7月17日発売の季刊誌『ジャンプSQ.CROWN(スクエアクラウン)』に場を移し連載が再開しました。 その後、掲載誌は2018年4月16日発売号より『SQ.RISE(スクエアライズ)』とタイトルを変えてリニューアル。現在も継続中です。 コミックスは2013年11月に24巻発売(第218夜まで収録)・2016年6月3日に25巻発売(第222夜まで)・2019年2月4日に26巻発売(第230夜まで)。      <星野桂先生のインスタグラムアカウント(@Katsura_5600)も現在元気に更新中>   
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