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『SQ.CROWN 2016AUTUMN』その2(「妖の王」re.)

既に掲載誌『SQ.CROWN 2016AUTUMN』の発売日から1週間経ちましたので、ネタバレ全開で参ります。 御了承下さい。





▽ 「妖の王re.」あらすじ

和菓子屋を営む祖父の手伝いで店番をしていた高校生の少女。そこにくたびれた身なりの異国人の男が現れる。
彼は彼女に「はーるーん しってるか?」と尋ねた。 
訳が分からず無反応の彼女を見ると、彼は大いに落胆の様子で 豆大福のやけ食いを始めた。
そこにやって来た二人目の客は 正体を現すと鬼の姿で、いきなり少女を襲おうとする。 「そなたを喰えばわらわが妖の王じゃ」

間一髪で彼女を救い鬼を倒した男は 少女に事情を話し始める。
彼女こそ「妖の王」と呼ばれる竜の生まれ変わりで、まだ竜の姿だった1200年前に人間の彼と夫婦仲になった。
ところがある日竜は 自分も人間になると言って姿をくらまし、それから560年間 彼は妻を探し続けたのだと。
「はーるーん」とは彼の名前だった。 
ここに一緒に住むから早く自分を思い出せ、と屈託ない笑顔で語るハールーンに まんざらでもなさそうな少女。
ちなみに彼女の名前は雲井かごめ。



▽ 雑感

星野先生がインスタに投稿されていた「妖の王」イラストも思い出されて無性に懐かしいですね。 あれも画集に入るといいな♡
ハールーンのカラーの立ち絵もありましたが、それより あの二人が顔を見合わせていた二枚組。
かごめを見下ろしながら --- 昔は大きくて美しくてカッコよかったのにずいぶんと小さくなってしまった(しょんぼり) --- ってやつが面白かったですよね。 「デカイ=カッコイイ」っていう子供じみた発想のおじさんが可愛くて(笑)

お話の方は、ヒロインが竜の転生した姿ということでした。
1200年前に二人が出会って結ばれて(それから640年間仲睦まじく暮らしてたんでしょうに)、突然竜の方が人間になりたいと言い出した心境変化はいったい何だったんだか。 
ハールーンの子供を産みたいとか?
でもこんな感じの旦那さんですから、それを聞かされても返事がおざなりだったんじゃないかなぁ… いかにも女心とかには察しが悪そうですよ(苦笑)

竜は「転生」という手段で念願叶った訳ですが、それって自ら命を絶ったってことでしょうか?
竜から力を授かったらしい人間のハールーンがこんなに不老不死でピンピンしてる所を見ると、竜だって自然に寿命が尽きるような歳ではなかったのでは?

それにしても全体にのんびりムードで平和です。 かごめのほわわ~んとしたキャラのせいもあるでしょうか。
普通は、危ない所を助けられたとはいえ いきなり素性の知れない外国人男性に「めおとじゃ」って迫られたら警戒しますよねぇ。
それに「生まれ変わり」と言われても ここに来るまで何代を経たのか… もはや全くの別人格でしょうに。
あとハールーンの方も、かごめを強引に連れ去ろうとしましたが それを拒絶されると真面目に悩んだ結果⇒そうだ、同居しようっていう…  まあデリカシーの点で難がありますが、それなりの優しさ、立ち直りの早さが好感持てますねv

「D.Gray-man」でも深刻な問題として転生だの別人格だのといった事実が表面化していますが、「終わり良ければすべて良し」と笑って言ってくれそうなこの作品の持つ不思議な明るさは 確かに救われる気がします。



▽ 比較

「3年前『ミラクルジャンフ゜』に掲載された作品の加筆・修正版」ということでしたが…

🌟 全編描き直し

さてどこが変わったかと言いますと、扉絵はモノクロながら描き下ろし、それを含めたページ数(P20)と物語の展開は前回と変わらぬものの ほぼ全コマに描き直しや台詞まわし等の修正が入っていまして、タイトルの「re.」=“リニューアル(renewal)”と思っていいレベルです。
格段に完成度が上がりましたよね!!(〃'∇'〃) 

いくら文字で説明しても及ばないので、少しだけ引用させて頂きます。 以下の通り。

ayakashino_ou11.jpg
左(新):『ジャンプSQ.CROWN 2016AUTUMN』掲載の「妖の王re.」 
右(旧):『ミラクルジャンフ゜No.14』掲載「妖の王」 より。

旧「妖の王」については、発表前年星野先生が気分転換に書き溜めておいた作品が『ミラクルジャンフ゜』誌に掲載の運びとなったわけですが、これが出された当時のDグレ休載理由が「病気療養」でしたから きっと納得のいくまで描き込めずに出てしまったことがずっと引っかかっておられたんじゃないでしょうか。
それで、その後もリニューアルバージョンをちょこちょこ書き溜め… ってことだったんでは? (気分的には“リベンジ(revenge)”かも)
 
おそらくいつかコミックスに収録されることを意識しながら 丁寧に描き直されていたと思います。
少なくともこの直しの分量は 『SQ.CROWN』初の休載で急遽決まった穴埋め掲載用に短期間でできるようなものではないかと。
(それができるくらいなら休載にはなりませんね(^^;) 

🌟 消えた湯呑み

旧「妖」で一番気になっていたところ
鬼が登場するシーンで、ハールーンの左手には 前ページでかごめが手渡した湯呑みがまだ握られています。
ところが、彼女を庇ったために腕を噛まれるコマでは 行方不明になってしまってるんですね。
しかし次の頁でまた現れます… 神器が出てくる重要アイテムですから。
この箇所も、新「妖」では修正済みでした。 かごめ救出コマでは、奥に引っ込んでいた彼の左腕ごと描き加えられていて。

ハールーンの足元にいたブサ猫くんも ちょっと出番が増えましたねw

他には、ハールーンが店にやって来たのが「鴉が鳴く夕暮れ時」… そこで柱時計は5時を指し《ぼーん》と時報も鳴りだしますが、よく見ると《ぼーん》のフキダシが6つあるんですよ。 ここだけはそのままでした。



▽ 象徴やら設定やら

🌟 「はーるーん」

過去記事にもウィキのコピペを貼ってましたが、モデルはこんな実在人物でした。
      
ハールーン・アッ=ラシード(アラビア語:هارون الرشيد‎ ​ Hārūn al-Rashīd, 766年 - 809年)は、アッバース朝第5代カリフ(在位786年 - 809年)。 即位にあたっての名はアッ=ラシード・ビッ=ラー・アブー・ジャアファル・ハールーン(al-Rashīd bi-Allāh Abū Jaʻfar Hārūn)であるが、古くからこのハールーン・アッ=ラシードの通称で親しまれてきた。 その治世はアッバース朝の最盛期にあたり、『千夜一夜物語』などで全盛期のアッバース朝に君臨した帝王として語り継がれている。 (wikipedia記載より抜粋)

「地味な和菓子屋にやって来た異国のお客さん」というだけならどこの出身でも良さそうですが、星野先生が何故またこの地域(中東)に興味を示されたのか。
もしかしたら…という想像ですが、Dグレに登場する「サイラス」氏の影響なんでは?と思います。
英語版「D.Gray-man 24」では、ネアとマナの叔父=つまり「母さま」の実弟であるサイラスは綴りが“Cyrus”となっていて、この名前の由来は もっと時代を遡るペルシャ帝国建国の祖・キュロス二世であるとか。 
⇒ 関連記事:「キャンベル家とクロス・マリアン」(2015.11.21付)


🌟 龗神之剣(オカミノカミ ノ ツルギ)
「龗」 音読みは「レイ」。 あめかんむりの下に口三つが横並び、その下に龍の字。
この「おかみ」一文字で「竜神」の意味を持つそうです。
竜といっても西洋の火を噴くドラゴンと違い、東洋の竜は水との結び付きが強く水神・海神の性格を持ちます。
「竜宮城」なんてのも海の中ですし。
かごめのセーラー服も(デザインの元は水兵服)、胸当てにわざわざ船の錨印まで付いてるところから無関係ではないかな。

水関連でいうと、ハールーンの「おでこの模様」の「みつどもえ(三つ巴)」。 かごめと口づけを交わし力を得ると、彼の瞳にも浮き出しますね。 この図案もまた「水流」を示しているということです。

ハールーンの呼びかけに応え 湯呑みのお茶から出現した龗神之剣。 こうやって水のある所なら多分どこでもOKなんでしょう。
これで斬られた妖も水になってしまうという。 使用済みの剣もまた水に還る… エコですね←


🌟 かごめ(籠目)
以前の記事でも話しましたがこういうことでしたねw 「かご」(籠)(篭)の字にも「竜」は付きものですが。

籠目50half    籠目紋50half 画像はウィキペディア「籠目」からお借りしてます。

左のような竹籠の編柄から 右のような六芒星型が出てきますが、これ自体に「魔除け」の意味があるほか 上向きの△(陽)と下向きの▽(陰)とで作る形ということで、六芒星は夫婦の和合も意味しています。


今回はこんなところで。
「妖の王」も、読切一回で終わらせるにはもったいないほど良く練られた作品でしたね。
これがまたCROWNに載ると聞いた時は 続編が読めると思って喜んでしまいましたが… いつか本当になることを願います。


では一旦これで。 いい加減ハログレに戻らないとwww



※ あ、そうそう 扉絵に描かれた「蛾」の意味が分からなくて保留なんですが… 
新・旧どちらの扉絵にも登場するのでただの装飾とは思えません。 さしずめ「竜の魂」の象徴あたりが順当ですか。
良く御存知の方がいたら教えて下さい。よろしくv







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漫画「D.Gray-man」は、2004年5月31日発売の『週刊少年ジャンプ27号(6月14日号)』で連載を開始し、2009年『少年ジャンプ22,23合併号』(第186夜)まで掲載。 以降2009年『赤マルジャンプ9月20日号」に第187夜掲載を経た後、第188夜からは同年11月発売の月刊『ジャンプSQ.2009年12月号』で連載再開。そこから2013年刊行の『SQ.2013年2月号』の第218夜までを掲載。 同年『SQ.4月号』誌上で編集部より「再開未定の一時休載」告知。 2年半の長期休載を経て、2015年7月17日発売の季刊誌『ジャンプSQ.CROWN(スクエアクラウン)』に場を移し連載が再開しました。 その後、掲載誌は2018年4月16日発売号より『SQ.RISE(スクエアライズ)』とタイトルを変えてリニューアル。現在も継続中です。 コミックスは2013年11月に24巻発売(第218夜まで収録)・2016年6月3日に25巻発売(第222夜まで収録)。 2016年7月から9月まで、新作TVアニメシリーズ「D.Gray-man HALLOW(ディーグレイマン ハロウ)」がTV東京系列で放映されました。詳細はアニメ公式HP http://dgrayman-anime.com/ ◇◇◇ 星野桂先生あてファンレターの送り先は以下の通り。      ↓  
プロフィール

キャンピー

Author:キャンピー
Yahoo!ブログから移動して'12年10月25日オープン。
それ以前の日付記事は旧ブログからの訂正版です。

生年:不明。35年前には存ざ(ry
BD/Btype:8月某日(Leo)/AO型
身長:160cm
体重:標準(自称)
家族:5人。夫と子供3人(男・男・男)
好物:漫画はDグレでお腹一杯。

<他ツイフィールまで> http://twpf.jp/ripvansf
   

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