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第228夜「A.Wに別れを告げる・毒と標」②

『SQ.RISE』初の掲載は、扉絵含め12頁でした。 
連載各回のページ数は 読者的には多いに越したことはないんですが、今回は特に「マリアの視線」と並ぶ重要かつ番外編的な内容でしたので、他のエピソードを交えずこれだけに押さえたのは 意図的なものだったのではと思っています。

次はもっと多いといいな!! ←



▽ 本編

★ ともだち

[クロス] 「こいつはティムキャンピー  オレが造ったゴーレム」
クロスがアレンに等身大のティムを抱かせて“ゴーレム”の解説を始めようとするが、アレンは マナに聞いたお伽話でわかっていると答える。
「へぇ… どんなお伽話だ」

[アレン] 「ゴーレムをともだちにできる人ってホントにいたんだ…」 とティムを見ながら呟くアレン。
“ともだち”という単語がクロスの脳裏に生前のネアの姿を引き出したが、とたんに彼は険しい表情となって「…冗談じゃねぇ」と呻いた。

アレンにティムを預けさっさと部屋を出ていこうとするクロスへ、アレンが後ろから声をかけた。
[アレン] 「僕も… ティムキャンピーとともだちになっていいですか……?」
[クロス] 「知らんわ 寝ろ!」

扉一枚隔てた先で、クロスはようやっと本音を漏らした。
[クロス] 「ケッ  そいつはとっくの昔からおまえのツレだろうが…」


この場面が、クロスがアレンに遺したボイスメモの冒頭(第165夜・第173夜)部分とちょうど噛み合いますね。
(ティムを)預けると言って渡したが… はじめからお前にやるつもりだった」 
⇒ 理由は、“とっくの昔からおまえのもの(= ツレ, ともだち)”だから。 
(ティムの製造者はクロスでも 持ち主はネア(「オレノ ティムキャンピー」)だったし、むしろ預かる立場はクロスの方でしたと)

また今回のクロスのセリフ中「おまえ」が指す人物は、今ここにいるアレンと昔のネアとがごっちゃにされているのが意味深です。
ここから6年を経た師弟会見の終わり近く(第168夜) 、食ってかかるアレンの問いに「14番目(じぶん)にきけ」「今度は途中で死ぬんじゃねェぞ」と言い放ったのと似た空気を感じますね。

ただ、クロスは少なくともこの時点(アレンがマナを壊し自身も心身崩壊寸前だったのを引き取り、看病の末ようやく落ちつかせた頃)では、いずれネアの人格が浮上してくればアレンの方はもたないと見ていたわけで(第206夜参照)。
このガキがいずれどうなろうが「知ったこっちゃねェ」とマザーの前では悪態をつきつつもアレンにティムを「貸して」やったのは、少しでも長い時間 元相棒と一緒にいさせてやって、心安らかに過ごさせてあげたいとの配慮だったと思います。

にもかかわらず 当人の前では不機嫌を隠そうともせずに当たり散らすクロスですが。(;^ω^)
それは、早晩この子供に降りかかる悲劇を思うと やりきれなさや、器をこの子供に選んだネア(実際はそうじゃなかったですが)への怒りやらで、どうしたらいいか分からないほど彼が苦悩していたことの裏返しだったかと…
つまり 弱い者が蹂躙されるのを見過ごしにできない彼の性根の優しさからだと思うんですよね。 そしてそれが表に出せない不器用さ加減ww

… ここでちょっと脇に逸れますが、「預ける」で ロザンヌを友人のクロスに託したクロウリーの祖父のことを思い出しました。 
アレイスター一世という人物がそうした真意は分かりません。 ですが、こちらのケースでももしかして イノセンスに取り憑かれた幼い孫を不憫に思ったからかしらと… たとえそれが逃れられない運命の先延ばしで、一時の気休めであったとしても。
(そもそも魔術で適合権を一時保留なんていうマネが可能だったかどうかすら分かりませんが、屍のマリアのイノセンスやAKUMAのダークマターへの一時的介入(改造)といったクロスのチート技を見ていると 全く不可能ではなさそうですよね)


しかし、ゴーレムが頻繁に登場するマナのお伽話ってなかなかのパワーワードですよ!
公式でいつか絵本でも出ないかしら♡
マナと一緒だった頃のアレンといえば、クロスの言では「生意気でひねくれた口の悪いガキ」と散々ですが、それでも一流のエンタテイナーだったマナの話術には夢中になって聞き入っていたことでしょう。

愛していた「息子」に、夜毎「ともだちゴーレム」の話をしてあげるマナの想いはどんなだったか…
あの ネアが一瞬思い浮かべた、ティムとの平和そうなツーショットを思い出します。

IMG_20180428_101937trim.jpg (第221夜より)

ティムキャンピーを肩に載せたマナは、14,5歳くらいかな。 
ボサついてみえる猫っ毛頭はともかくとしまして(ひたすら可愛いww) 良家のお坊ちゃまらしくきれいに整った身なりに屈託のない笑顔… ここには回想に登場するたび泣いていた暗さが微塵もありません。
きっと 千年伯爵の脅威が まだ本格化する前のことでしょうね。

そしてそこに当たり前のように存在していたティムキャンピー。
アレンと共同生活を始めたマナが この健気なゴーレムのことを覚えていたかどうか分かりませんが、幼い息子にゴーレムは大切な“ともだち”と語って聞かせた彼の気持ちに きっと嘘はなかったと思います。



★ ゴーレムを造るということ

資料を探していて最近読んだの中に、こんな解説がありました。

「ゴーレムという言葉はとても古くからある。そしてもともとは、ユダヤ教という特定の宗教の中に登場するものだ。しかもそれは、或る意味とても宗教らしく、現実離れした部分を抱え込んでいる。ゴーレムとは、卓越したラビ(※rabbi=この場合ユダヤ教の修行者のこと)が造り出す一種の<人造人間>のことだ。」P7

「ゴーレムに深い関係を持つ文献がある。それは『セーフェル・イェツィーラー(創造の書)』である。」
『創造の書』を理解したということを確認するために、その書物に開陳されている秘密を使ってゴーレムを造る。」P32-33
「それは神の行為をまねることを目的とした本だとも言える。」P36
以上、金森修 著『ゴーレムの生命論』より

聖書では 神は、土(アダマ)から人間(アダム)を造る際 最後の仕上げに“息”を吹き込むことで命を与えました。
ゴーレムの作り方もこれに似て やはり土を材料に人型を造り、その額や胸などに“護符”を貼ることで完成します。 護符に書かれる文字は「真理=emeth」。 この文字列を一部無効化すればゴーレムも動きを止めるとか。

神の御業の真似事とかヤバい感じがプンプンですが、ともかく ゴーレム(人造生命体)を造れることそのものが魔術を習得した証になるというのです。

D.Gray-man世界のゴーレムにこの話をそのまま適用することはできないにしても(人型に護符とかむしろ教団が造ったセカンドエクソシストの作り方ぽいですよね)、
例のマザーのセリフ 
「おまえは真理に触れ人の境を越えてしまったんだ」
「その木片でティムキャンピーを壊したところで解放されることはないのかもしれない」

が指している意味を考えるに、魔術師(≒魔導士)となる為に必要とされる条件の逆を行っているので、
当時のクロスが(何かを理由として)復活してくるネアの協力者であり続けることに疑問を感じ、できればその役を降りたい、魔導士なんぞ辞めてもいいからマナネアを含む全てとの関係を断ち切りたいとまで思い詰めていたのでは… なんてちょっと思いました。

だって、クロスが「外野」扱いとはいえ四半世紀以上を費やして出現を待ち続けた“アレン”を見つけた時、それは予想外の姿でしたが まるで喜ばないどころか当人を殺しかねない勢いで怒っていたのは理解に苦しむ所でしたし。(小説版) 
それはネア復活のため無関係の幼い子供が犠牲にされたことへの失望と怒りだったんじゃないですかね…  
おまえは自分の目的を追求するあまり そこまで腐ってしまったのかと。

あと クロスの発した「壊したくてたまらない存在(もの)」という 酷なセリフが悲しくてね~(´;ω;`)
小説版では確かにティムがアレン(ネア)の身を守る為クロスに盾突くシーンもありましたが、ティムが単体で 製造者にそこまで憎まれる理由はないと思うので。




続きはもう少し。 あまり長くならないつもりですが、ここでいったん切ります。
それではまた。

 

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漫画「D.Gray-man」は、2004年5月31日発売の『週刊少年ジャンプ27号(6月14日号)』で連載を開始し、2009年『少年ジャンプ22,23合併号』(第186夜)まで掲載。 以降2009年『赤マルジャンプ9月20日号」に第187夜掲載を経た後、第188夜からは同年11月発売の月刊『ジャンプSQ.2009年12月号』で連載再開。そこから2013年刊行の『SQ.2013年2月号』の第218夜までを掲載。 同年『SQ.4月号』誌上で編集部より「再開未定の一時休載」告知。 2年半の長期休載を経て、2015年7月17日発売の季刊誌『ジャンプSQ.CROWN(スクエアクラウン)』に場を移し連載が再開しました。 その後、掲載誌は2018年4月16日発売号より『SQ.RISE(スクエアライズ)』とタイトルを変えてリニューアル。現在も継続中です。 コミックスは2013年11月に24巻発売(第218夜まで収録)・2016年6月3日に25巻発売(第222夜まで収録)。 2016年7月から9月まで、新作TVアニメシリーズ「D.Gray-man HALLOW(ディーグレイマン ハロウ)」がTV東京系列で放映されました。詳細はアニメ公式HP http://dgrayman-anime.com/ ◇◇◇ 星野桂先生あてファンレターの送り先は以下の通り。      ↓  
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Author:キャンピー
Yahoo!ブログから移動して'12年10月25日オープン。
それ以前の日付記事は旧ブログからの訂正版です。

生年:不明。35年前には存ざ(ry
BD/Btype:8月某日(Leo)/AO型
身長:160cm
体重:標準(自称)
家族:5人。夫と子供3人(男・男・男)
好物:漫画はDグレでお腹一杯。

<他ツイフィールまで> http://twpf.jp/ripvansf
   

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