第229夜「A.Wに別れを告げる・掩蔽と腹心」②

★ サブタイトル

「掩蔽(えんぺい)と腹心(ふくしん)。 どちらもあまり普段使わない言葉です。
本編を読み あらためてその意味について考えましたが、今のところ“ダブルミーニング”だったのでは?という結論です。


[意味その1] 神田の頼みに応じ、アレンとジョニーをイノセンスの馬車にかくまい(=掩蔽)街から逃がす作戦を決行したティエドール元帥と、それに協力し周囲が怪しまないようもっともらしく振る舞っていたファインダー3人組(=腹心)

私の印象では、あのファインダー達も 事情を知らされたうえでこの脱出作戦に協力していたように見えました。
やや引っかかる過度なはしゃぎっぷりでしたので… 
最初に無線ゴーレムから流れた神田への呼びかけでは、(騒々しさこそ変わりませんが)もっと深刻な感じだったのに。

「このやろう神田どこにいるのでありますかぁあぁあぁ!!! バカヤロー」 「おまえ一体何したんだ!? 中央庁の奴らが血相変えて探してるぞ! まさか行方不明になってるジョニー・ギルとなんか関係あるんじゃないだろうなオイ!!」
「とにかく迎えに行きますから! すぐ! 無線ゴーレムこのまま絶対切らないでくださいよ!!」 
「おまえ自分の立場 今かなりヤバいって自覚しろよ!!」
 (第216夜) 

鉄壁のイノセンスを持つティエドール元帥の下 逃げられる心配こそなくなったものの、“神田のヤバい立場”の方はまだ何も解決していません。 未だにアレン達が見つかっていないのでは、これから神田が受ける処分も予断を許さない状況といえ。
そんな中での3人の あの手放しで浮かれた様子には、かなりな違和感を覚えまして。

彼らの話に出てきた「神田のドスい罵声」シーンもどうだか…
その話自体が怪しくも思えましたが、やはり厳しい検問を納得させるにはそのくらいの演出は必要かなーと思い直しました。
ただ、神田が実際にあんな演技をしたとは思えないんですよねぇ💧

馬車の登場から時間順に見ても、
幌馬車に捕まったアレンとジョニーの前に神田と元帥が顔を出す → アレンいきなりの発動から神田が応戦 → 侵蝕の痛みで発動が解けアレンが自暴自棄発言 → ティエドールが神田をいさめる → 神田、トーンを変え改めてアレンに話しかける(アポに会ったこと・ティムが破壊されたこと) → アレン、ティムの惨状に固まる → そこから黙り込むアレンと傍で見守る神田 

こういう流れだったので、時間的にも心の余裕的にも 神田にそんなことをしている暇は無かったろうと思います。
ですから、あの場面が実際にあったことなら 全てはティエドール元帥がイノセンスを使って行ったものだったろうという結論で。


[意味その2] アレン達をどこまでも庇おうとする仲間の動きに感付きながら、どす黒い感情(=腹心)に蓋をし 表面上は素直で協力的な態度を演じている(=掩蔽)チャオジー。
※「腹心」には心の奥底という意味もあるのですね。

久しぶりにセリフ付きの登場で、爽やか好青年ぶりにはちょっと面食らいましたが、一番最後に見せた無言の表情の 誰も信じていないというような暗い瞳でおおよそ納得が行きました。

やだなあもう~~(´_`。) ここ嘘つきばっかw



★ 本編

第229夜は扉を含め25頁でした。
最初のシーンは駅舎の中。 アポクリフォスが第208夜で「逃れられはしない」と言っていた背景と同じですが 当時の街の風景(聖母大聖堂のシルエット)とも合わせ、場所は物語上の設定がどうかはともかくベルギーのアントワープをモデルにしたのは間違いないですね。
ということで駅は、アントワープ(アントウェルペン)中央駅。 鉄骨とガラスの構造体をベースに細部まで施された装飾が美しいです。 
そしてこんな面倒そうな(←)舞台をわざわざ選び 臨場感満点に描き切った心意気には惚れます(*´艸`*)♡ さすが。

● クロウリーとチャオジー

駅に到着したチャオジーとクロウリーに対し、ティエドールに同行して来ていたファインダー3人組が アレンとジョニー捕獲作戦の現況を説明している。 
・結界装置による完全封鎖や徹底したローラー作戦にもかかわらず、ターゲットは未だに姿を現さないこと。
・街を全面封鎖した後、ここから出たのは 神田を馬車の檻に閉じ込め連行していったティエドール元帥だけであること。
・教会に対策本部が設けられ、団員たちはそこに向かうことに。 


街に向かう汽車の中では沈痛な面持ちで押し黙っていたクロウリーが、緊張から解放されてようやくホッとできたのは良かったですね。 アレンが話していた修業時代の武勇伝まで思い出して、ちょっと口元がほころんだり。
ただ 次の瞬間には、そんな自分が臆病でズルいなどとしょげているところがいかにも彼らしい…。 
私はやはり この気遣いと心根の優しさを持ち続けている普段の彼が好きです。 気持ちがストレートに顔に出てしまう所もv

一方のチャオジー。
 
「元帥が? 街にいたんスか?」 「……へぇ オレも神田先輩に会いたかったな 元気でした?」
言葉では元帥や神田の動向に抜け目なくチェックを入れながら、終始目をパッチリ見開いて明るい表情を崩さないでいるのがかえって不気味ですよね。 いつの間にそんな技を(^^;

チャオジーは 方舟でノアまで助けようとしたアレンには入団前から不信を募らせていましたが、神田に対しては「先輩」として真面目に尊敬し慕っていた様子でした。
それだけに 期待を裏切られたと思った時の落差は大きかったと想像します。 

現場を見ていないチャオジーにはどれも伝聞情報でしかありませんが、
「神田がアレンの手引きで AKUMAを連れて北米支部から戦線離脱した」
「そこで死んだと思ったのに何食わぬ顔で舞い戻り、また行方をくらまして指名手配中のジョニーとアレンを助けているらしい」
と聞けば 内心穏やかでいられるはずもなく。

加えて アレンが投獄されて周囲から白い目で見られても抗議活動をやめなかった科学班1班の面々や、神田の行方を隠し通しているマリとリナリー、他のエクソシスト仲間も例外なくアレンの心配をしているなど 彼にとっての教団生活は気持ち的にアウェー状態のまま不信が募り 拗れに拗れてしまったんじゃないでしょうか。

彼の中にポワズが仕込まれて この様子がノアに筒抜けであるところも油断できません。
現在の神田のようにとまではいかなくても、彼にもいつかアレンの生き方を理解する展開が来るよう願わずにはいられません。



まだまだ続きます。 

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