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第230夜「A.Wに別れを告げる・灯火と涙痕」②

アポクリフォスが現れた晩 リナリーの前から姿を消した時と同じように、またもアレンは仲間を振り捨てて逃亡を図りました。
頼みの綱だったティムまでアポクリフォスの犠牲になったと知り、アレンの心はまた3ケ月前に引き戻されてしまったんでしょうか。
彼の脳裏にはティキ・ミックの
「ただ周りに混乱と争いをバラまいてる」 「おまえこそ一番タチが悪いんじゃないのか」
という残酷なセリフが ふたたび呪いのように鳴り響いていたかも。 
自分こそ元凶  これ以上大切な人が傷付くのには耐えられない…

アレンが抜けられなくなってしまったそんな負のスパイラルを 神田が力(ちから)技でブチ壊してくれたことにはもう感謝しかありません。



▽ 本編

アレンと 彼を追って方舟に飛び込んだ神田の到着先は、どこかヨーロッパの街中の閑散とした公園だった。
大通りにはまだガス灯の明かりの残る早朝、 塔の時計は5時43分を指している。

そこで元気に犬と戯れる子供が二人。 
突然その頭上から、まず大振りの日本刀が、それに続き二人の男(アレンと神田)が 降ってわいたようになだれ落ちてきた。 
刀(六幻)は子供の目前で鞘ごと地面に突きささり、アレンと神田は落下のショックに浸る間もなく手錠の電撃を浴びるなど、踏んだり蹴ったり。

ちょうど同時期 手錠の片割れを装着したジョニーも同じ目に遭っていたが、パキンと音を立てて手錠が外れた。
彼の見立てによれば解除された理由は 「アレンの腕輪が探知できなくなったから」 「安全装置が働いた」
つまりは 「アレンたちは相当遠くに行った」
らしい。



〇 資格

いつもアレンの傍にいた黄色い相棒は今 粉々になってジョニーの元にいるわけですが、それでも支障なくアレンが方舟を使用(=ゲート新設)できたことについてちょっと考えていました。

アレンが方舟の秘密部屋で聞いた、
「“アレン”  オレノティムキャンピー…  フタツガ…“奏者ノ資格” (TWO ARE AUTHORIZED TO BE THE PIANIST)*1
という声。
わざわざ(これ単独でも特別な意味があるらしい)“アレン”と ネアのゴーレムを抱き合わせで「奏者の資格」とする、という話はやはりこの一時だけのものではない気がして。 

思うに ティムキャンピーが、本来の奏者である“ネア”と“アレン”とを紐付ける役を担っているという意味では?と。

方舟は奏者が「念じる」だけで機能を発揮します。 ネアが35年間の眠りから覚める第214夜より前に アレン・ウォーカーが自分の意志で方舟を動かすことができた理由は、ティムキャンピーがアレンを“主人と同じ者”と認めさせたからではないでしょうか。
(現段階、「どこの誰に」“AUTHORIZE”させるのか聞かれても困るのですがww)

仮にそうであるとしたら、ティムを使ってアレンを秘密部屋に送り込むまでやってみせた師匠自身が、アレンが呼ぶまでこの部屋に入れなかった理由も通ります。 クロス・マリアンは“奏者本人とは認められないから”です。

突然こんな話になったのは他でもない、現在「ゴーレムのティムキャンピー」は見る影もなく粉々ですが まだ機能を完全に停止したとはいえず辛うじてこの世界に存在を保てているのでは… とアレンの方舟使用を見て思ったからでした。
例えばアレンの左腕がティキ・ミックに壊された後、「霧じゃなくて粒子(=分子レベルの気体状)」と言われる姿になってもなお アレンに寄り添い、最後には奇跡の復活を遂げたように、ですね。 

しかしまあこの議論のツッコミ所としては、ティムを壊したのが他でもない、アポさんだって所ですけどもwww

① 「“アレン”とコンビで奏者の資格発動」という重大情報を 奴は知らなかったとか (……… いやいやいや💧)
② 邪魔ばっかりするティムに怒り爆発で、「もう~奏者の資格なんてどうでもいい!」って切れたとか←
③ もしくは「粉々にしても使えるなら問題ない」と思ったか。

*1
VIZmedia版・英訳『D.Gray-man 14』P60より。


〇 手錠

やっと取れましたよね~!!\(^o^)/
このヘンテコな形状の手錠、折角のシリアスシーンでも視界に入ってしまうのが辛くて そろそろ取れてくれないだろうかと思っ(ゲホゲホ)← 
もっとも私は教団製の旧式無線機のように方舟入りで壊れてしまうことを想像していたのですが(手錠が作られたのは「昔」ということだったので)全然そんなことはなく。 外れたのは、壊れるどころかちゃんと機能したための「解除」でした。

まあ いずれにしろ室長はあの手この手で手錠を外そうとしてくるでしょうから、外からの衝撃にはビクともしない堅牢さがこの道具の第一条件な筈ですよね。 思えば「最大出力の結界」にも耐えてましたし。 リーバー班長の有能ぶりに改めて脱帽です。

… ところで上空から落下した時 神田の胸元からゴーレムがこぼれ落ちてんですが。
そのおかげで一緒に電撃の巻き添えを食らわずに済んだというわけですね。 こういう所、Dグレは芸が細かいわww  
神田さん、健気な相棒をここに転がしたまま忘れて行かないで下さいよ。 いや 今後の伏線でしたら構わないのですが。


電撃から解放されるや 神田とアレンはさっそく最大級の険悪ムード。
神田が「クソ野郎が…っ」と鬼の形相でアレンの胸ぐらを掴めば、対するアレンもその手を振り払って負けじと言い返し、とうとう神田は六幻の柄(つか)に手をかけた。 

一瞬アレンもひるんで固まるほどにダダ漏れの殺気。 それまで傍で見守っていた子供らは、あまりの恐怖に逃げ出した。
「これ以上逃げようとすんなら今ここでテメェを殺す」 「真っ二つにされたいか5秒で決めろ」 
「助けるが優しくしてやるとは言ってねぇ」

それでも退かず抗議を続けようとしていたアレンの胸元のリボンタイが 突如ぷっつり切れて落ちた。
「次は首を狙う」
--- 神田の抜刀がみえなかった!? ---  --- 初めてだ… 本気で殺すつもりなのかも… ---


そういえば、アレンは 結晶化六幻が使われるところを見るのは初めてですね。
そもそも神田がマテールから帰還後に結晶化したこと自体知らないんでした。 
神田も 自分の事となるとまったく語りたがらないんですよねえ…  いいのか悪いのか。


アレンをじっと睨みつけたまま、神田は共に旅してきたジョニーやそれを許したリーバー班長の話を始めた。 
アレンは泣きそうな顔になるも、まだ必死の抵抗でうつむき 「うるさい…」と突っぱねようとする。

「向き合おうとしていないのはどっちだ」 「北米支部での言葉そのまま返してやるよ」

神田がその言葉も終えぬうち とうとう大振りの軌道を描いた刀がアレンに襲い掛かった。
アレンはトンボ返りでよけるが、体勢を立て直す間もなく逆方向から第二波がやって来た。
それを受け止めるイノセンスの左手。 しかし刃は完全には止まらず、手の甲側からじりじりとめり込んでいく。
「そんなこと キミなんかに… 神田なんかにいわれなくたってわかってるんだよ…っ」
「わかってねぇよ」
「わかっててもいえないって どうしてわかってくれない…!!」

とうとう根負けしたアレンが、目に涙を溜めながら何もかも吐き出した。
師匠のクロスもティムも監査官のリンクも、イノセンスのアポクリフォスが手にかけたこと  ハートのためなら何だってやる
そんなことを教団の仲間が知ったら、イノセンスが信じられなくなったら 教団は崩壊してしまう…という危惧

神田もようやく六幻を引いた。
「アポクリフォスが狙ってるのは僕です」
「キミたちなかなか離れてくれなくて… うっかり話したくなりそうになっちゃうから離れたかったのにさ…」
言葉を続けながら アレンはずっと見ないフリをしてきた自分の本当の想いを改めて噛みしめていた。

それからアレンは放心したように地面に大の字で寝転がり、ふとティムを呼んでみるが もちろん応答は無し。
目元を覆った手では止めきれない涙があふれてくる。

そんな彼を見下ろしながら 目的を達した神田の表情はもう平静を取り戻していた。
--- 「アポクリフォス」 ハートの為のイノセンスか… ---


〇 覚悟を伝える

神田が自分の“本気”を見せようとする時、やはり最も手っ取り早く かつ効果的なのは「剣」でしたね(^^; 

ただ、有無を言わさぬ殺気を漂わせつつも 当人はカッとなった訳じゃなく極めて冷静で、駆け引きの最中もどこまでもアレンの身体を気遣っている様子*2 が伺え、なかなかに胸熱でした。
馬車の中で一度激昂してアレンの胸ぐらを掴んだ時ジョニーに言われたことは ちゃんと忘れずにいたんですね。

分かりやすく殺気を露わにすることも アレンに対してというより彼の中の「14番目」に向け、「今出てきて邪魔したら容赦しねぇ」という牽制の意図があったかも知れません。
必死で意地を張り続けるアレンさんもまったく…   「壊れやすいもの」はどっちですよってww

あと、こんな機会でもなければ神田は絶対口にしないんだろうけど 彼が日頃どれだけ周囲の人間をよく見ていたか。
ジョニーやリーバー班長については、密かに共感しあるいは胸を痛めたりもしていたと分かり 嬉しかったです。
一見彼は冷淡そうに見えますが、決して他人に無関心なわけでもなく、普段出しゃばらないのはあくまで「己の分を弁えている」感じかなぁ。 そんな所は日本の武士道に通じる気がします。

結晶化を経て この適合者に最もそぐわしい形になるはずのイノセンスが、変わらず日本刀の姿だったのにも ちょっと納得しましたね。

*2
アレンの“肉体”を傷付けまいとする配慮は徹底しています。 北米支部での失敗体験のトラウマを乗り越えながら大した精神力ですよね。
怒りをこらえ殴ったりしないのはもちろん、その気ならアレンには見えない速さで振れる六幻を避けられるよう大振りするわ、返す刀でアレンの左を狙ったのも イノセンスの左手が止めることを想定してでしょう。
ここだけは、六幻に傷付けられてもノアメモリーがざわつくことはないでしょうから…
アレンのイノセンスが方舟のティキ戦で自己修復できた話も リナリーからとっくに聞き及んでいたと思いますしね。



残りはまた次回で。


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コメント

Re: 12月12日15:05と18:59に、鍵付きコメでお返事くださった方へ。

リプライが遅すぎて年を越してしまいましたが、再びコメントありがとうございました!
今年もよろしくお願いします。

2件分をここにまとめて書かせて頂きますね。


〇1件目

> ノアがあれだけ人類を憎むのはなぜなのか きっとそこに戦争の裏があるのでしょうね
「戦争」の構図的には、ノアvs人類というより、ノアメモリーvsイノセンスと見た方がいいように思います。ノアメモリーもイノセンスも 人類の肉体に依らなければ本来の能力を発揮できない所は似ていますよね。
そして人類は双方のコマとして7000年間利用されてきた筈なのに、劇中で認識できていることは100年前の「千年伯爵の再来」以降しかないんですよね。

ノアメモリーの憎悪はひたすらイノセンスに向かっています。「ヘボ」な現人類を滅ぼす計画はあっても、それは直接憎悪の対象ではないような…

ノアの神もイノセンスのハートもまだ正体を現していませんが、両陣営を行き来できる記録係の「ブックマン」という存在が許されている以上は、それより更に上位の存在を感じざるを得ません。

そいつ(上位存在)がこの「戦争」ゲームを 高みから楽しんでいるのかも知れない。
そもそも北米支部で千年公が口走った「理(ルール)」を守って戦争しましょうなんて理屈が、おかしいんですから。
まだまだこの先も気が許せない展開ですね。


> カテリーナ > 千年伯爵
元の千年伯爵が消えて二人の赤ん坊になったくだりは、本編でまたじっくり見せてほしいですね。
私も伯爵とカテリーナとの間に愛が芽生えていたと思います(でなければ、マナネアを引き取ってあんなに大切に育てたりはしなかったでしょう)し、伯爵自身もあれは故意にしたことではなかったと思っていますが(彼女を愛していたら黙って決行することはないのでは?と)、真相は分かりませんのでここはぜひ。


> ネア > 友人アレン
こっちの関係もね~ww
ただここは主人公の存在に関わる大事な箇所ですから、時間がかかっても必ず謎が明かされると思います。


> いずれアレンは時の破壊者=千年伯爵になってしまうんですかね
えー 結論を言えば「時の破壊者=千年伯爵」ではありません。

アレンのイノセンスが偉大なる「時の破壊者」を生む、という予言は教団のヘブラスカのものでした。
真意は謎のままですが、「偉大」と言うからには良い意味でしょうし、ブックマンの解釈も「時」が千年伯爵を指し、アレンがそれを倒すという話では?ということでしたね。

それがその通りになるかは分かりませんが、まあそう心配なさらず。 今後に期待ですねv


〇2件目

> ルベリエ 
仰る通りで、彼も「冷徹」の一言では片付けられない複雑な背景がありますよね。
兄弟や親類が全員犠牲になった生い立ちから悲劇ですが、そこから たった独りでもこの世界の不幸の大元を断とうとしている姿勢は崇高ですらあります。
彼だって、もし自分一人の犠牲で目的が果たせるなら 迷わず実行するのではないかな。

でも想いが強いあまり、目の前の悲劇を見捨てておけないアレン・ウォーカーとは行動が対極になってしまっているという… 皮肉ですね。


> ヘブラスカ
非情な人体実験の実行者といえそれは彼女の意志ではなかったし、教団に引っぱられてきて命令されるまま任務(拒否権はない)を遂行しただけですから、もはや 幼少時から戦闘員として働き 遂には暴走した仲間を倒すまでせざるを得なかったリナリーと、境遇は変わらないんですよね。

さらに不幸なことには、100年間教団内に繋がれているうち、彼女の身体は朽ち果てもう魂と自我だけになってしまっているとか(25巻談話室より)… 
もう死んだと言っていい彼女をイノセンスは未だ執着し離さずにいるのですから、よほど今の彼女の立ち位置が特殊でかけがえのないものなんでしょう。
こんな目に遭ってなお、絶望に浸ることもなくいつも穏やかで 教団の仲間の為に尽くしている彼女が、私は大好きです。


> 表の部分しか見ていないとわかりづらいですが
はい。
たとえばデータブックにもルベリエがヘブラスカを嫌悪していると書かれていますが、「青空が嫌い」だの「人間が嫌い」だの言ってる人達と同じように きっと本人達にしか分からない複雑な心境があるんですよね!

彼が彼女を「幼き頃から激しく憎んで」いたのは事実でしょうが、人の気持ちは日々変わるものです。ルベリエも教団に乗り込んできてから、ヘブラスカと頻繁に顔を合わせる機会を得て 徐々に軟化してきたように感じます。

自分の野望実現のために必要というだけなら、別に「散歩のついでに寄って」みたりする必要はないですよ。
彼女が数少ない身内ということ以上に、彼は 自分とも相通ずる彼女の深い孤独を感じとり、放っておけない気持ちが湧いたんじゃないかと…

もしもルベリエの構想通りにノアメモリーもイノセンスもない世の中が実現したら、ヘブラスカも消滅する運命は避けられません。
それを知りながら、わざわざ彼女の顔を見に行くルベリエ… 
一体どんな気持ちなんでしょうね。

D.Gray-manを読むたび どの人物も輝いて見えて。いいですねえ~ この作品世界。(*^-^*)


今回もありがとうございました。
それではこれで。

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キャンピー

Author:キャンピー
Yahoo!ブログから移動して'12年10月25日オープン。
それ以前の日付記事は旧ブログからの訂正版です。

生年:不明。35年前には存ざ(ry
BD/Btype:8月某日(Leo)/AO型
身長:160cm
体重:標準(自称)
家族:5人。夫と子供3人(男・男・男)
好物:漫画はDグレでお腹一杯。

<他ツイフィールまで> http://twpf.jp/ripvansf
   

Dグレの応援お願いします。
漫画「D.Gray-man」は、2004年5月31日発売の『週刊少年ジャンプ27号(6月14日号)』で連載を開始し、2009年『少年ジャンプ22,23合併号』(第186夜)まで掲載。 以降2009年『赤マルジャンプ9月20日号」に第187夜掲載を経た後、第188夜からは同年11月発売の月刊『ジャンプSQ.2009年12月号』で連載再開。そこから2013年刊行の『SQ.2013年2月号』の第218夜までを掲載。 同年『SQ.4月号』誌上で編集部より「再開未定の一時休載」告知。 2年半の長期休載を経て、2015年7月17日発売の季刊誌『ジャンプSQ.CROWN(スクエアクラウン)』に場を移し連載が再開しました。 その後、掲載誌は2018年4月16日発売号より『SQ.RISE(スクエアライズ)』とタイトルを変えてリニューアル。現在も継続中です。 コミックスは2013年11月に24巻発売(第218夜まで収録)・2016年6月3日に25巻発売(第222夜まで)・2019年2月4日に26巻発売(第230夜まで)。      <星野桂先生のインスタグラムアカウント(@Katsura_5600)も現在元気に更新中>   
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