『ナイトメアはもう見ない』を読みました。

1/18発売 集英社オレンジ文庫『ナイトメアはもう見ない』作:水守糸子/装画:星野桂 
(2018年ノベル大賞佳作受賞作)

星野桂先生がカバーイラスト担当の注目作ですが、本書への寄稿はこれ1点で 中の文章はすべて水守糸子先生の作品です。
まあ典型的なジャケ買いでしたよね(^^;

背景は二分され、闇に広がる曼殊沙華(彼岸花)と、光の中に咲くトルコ桔梗(花言葉:「すがすがしい美しさ」「希望」)。
実際作中にも登場する花達ですが、中央の女性が後者を握りしめているのが象徴的です。
明るい方の遠景には京のおばんざいもv


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舞台が京都府警というだけあって、北関東人はポンポン交わされる関西弁に戸惑いましたがそれも最初だけ。
すぐに慣れましたし、大変読みやすい作品でした。

主人公の女性の名は「硝子(ガラス)」と書いて「しょうこ」。 
壊れやすいものの代表みたいな名とは逆で、幼少時の辛い体験を乗り越えて元気に前向きに生きている所がいいですね。
特殊能力により死に瀕した人間の記憶を追体験するところは 『家族八景』(筒井康隆著)の七瀬を彷彿とさせましたが、描写は比較的あっさりめで(好みは分かれると思いますが)私は良かったと思います。

幼少時代の硝子をいつもかまってくれていた今は顔も思い出せない少年が一体誰かや、同僚の友人を殺した真犯人とは?
このあたりの謎は読み進めていくうちおおよそ予想がつく展開になっていて、無理にひねってないのも良かったです。
罪を犯してしまった人にもそれなりの想いや事情があったし、いわゆる「えげつない」人物などは一人も出て来ないんですよね…
その辺も作品としては評価が分かれるかもしれないけど私は良かったかと。

あと、硝子が出会う人ごとに真摯に向き合おうとする姿勢が大好きですが、その気まじめさが祟って「ええー💧 そうなる??」という(自分にとっては)ガッカリな展開もあったんだけど、最後の最後(アニメで言えばCパート)にようやく救われてホッとしました(笑)

その他 美味しそうな数々のお料理の描写とか、まさかの「木賊(トクサ)」氏が登場するも某グレとは真逆のタイプで「なーんだ」と思ってたら妙につっかかってくるエリート候補生が正にそっち方面だったりとか(もう何を言ってるか分からなくなりそうなので省略)

色々楽しかったです。

物語もこれ一回きりで終えなくても… という素敵なまとめ方でしたので、これはぜひ続編をお願いしたく…!
硝子やあきさんの「その後」がシリーズになってくれたら、大喜びで追いかけますよ。


何かきっかけがなければ恐らく手に取ることはなかった本でしたが、今は素敵な出会いに感謝したい思いで一杯です。


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