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第235夜「A.Wに別れを告げる・赤腕と犬」②

必要とあらば敵方(14番目)すら取り込んでしまえる柔軟なイノセンスサイドに比べ、常にイノセンスへの憎悪をむき出しにするばかりのノアにずっといい印象がなかったんですが(いやもちろん他にも突っ込み所は山ほどありますが!!(^^;)
僅かずつ彼らの事情が見えてきて、先入観は大敵だなとあらためて思いました。
何にせよ 情報が増えて考察の自由度が格段に上がる感触がたまらないですよね!

そういえば26巻の「談話室」でワイズリーの言っていた「ネアはノアメモリーをもっておらぬ」の真意も測りかね保留にしていましたが、彼がマナとセットであることを考えると“千年伯爵レプリカ疑惑”で説明がつくのかも…

つまりネアだけでなく現在の千年伯爵(マナ)もまた 第一使徒に数えられながら“正当な”ノアメモリーはもたず、そのことはロードとワイズリー以外の使徒には秘密にされているとかですね。
グレイログの千年伯爵パーソナルデータに「メモリー」の記載がないのもそのせいかと思います。

もちろんマナもネアも その強大な力の源である“何か”の持ち主であることは確かですし、そのそれぞれが宿主とは別の意志を持って動いている様子も見うけられますが。 
それらの呼び名がないのも不便なので、ここでは今後 「疑似メモリー」とでも呼ぶことにします。

仮定をざっと

・どこか他所の星に高度な文明を持つノアとイノセンスとの大戦争があった
・星ごと崩壊の憂き目にあったノアは、辛くも12人分の情報と記憶を「メモリー」に移植し方舟で宇宙に脱出

・7,000年前の地球にメモリーの宿主に適した高等生物(第一人類)を発見、ここで「13人」の「使徒」となって地上に「出現」
・彼らは新天地で平和な文明国家を築いていこうとするが 程なくしてイノセンスが襲来。 同様に人類に取り憑いた彼らと開戦
・千年伯爵が斃(たお)されノア側が大敗を喫す
・その報復として、ノアは空中から洪水を起こし地上の第一人類を全滅させる。 イノセンスは力を失い各地に飛散

・この時点で方舟奏者はロードだけになってしまったが、彼女は次期復讐戦に向け 兵器化させるための新しい千年伯爵と、自分たちの容れ物となる新人類(超能力を存分に発揮するノア遺伝子と イノセンスが容易に取り憑けない体質をもつ)を作り出す。

雑ですが今はこんなところで。

3巻でロードがイノセンスは偽物の神で自分たちの神こそ本物発言をしていましたが、自分たちを「使徒」名乗りつつ彼らが従うべき神はどこにいるのかと長いこと疑問でした。
でもイノセンス側とのバランスから言っても ここは単純に“ノアメモリーが彼らの神”という見方で良さそうですね。 
その「神」に絶対服従の宿主が「使徒」という話。
突然現れて好き放題にやっているとしか見られていない14番目などは 「使徒」と呼ばれないわけで。





▽ 本編

冒頭は前回に引き続き クロスとロードの会話シーン。

いったんロードの中から噴き出た憎悪の念は 落ち着くどころかさらに激しさを増した。
[ロード] 「ニク  イ…   憎」 「コの苦シみヲ 知ラぬ モノに なに
ロードの右顔面は目に見えない強い力で歪められ、口元は奥歯が見えるほど引き攣れて 耳まで届くようだった。

その恐ろしい形相を真顔で見つめ返し、なおも対話を試みるクロス。
「その苦しみを知るおまえ達が 今度はこの世界を滅ぼすのか?    ノ ア よ
[ロード] ソの為に造ッタ世界ダッ

[クロス] 「大昔の腐った亡霊に説いたところで無駄か…」

今度は 低くしゃがんで両の掌で、形を崩した彼女の両頬を包み込むと “彼女自身”へと話しかけた。
[クロス] 「ロード・キャメロット」
 

「亡霊(ノア)に操られるな   戦え」 
「本当はマナを助けたいと思ってるんじゃないのか」
「おまえもこの世界に生まれた人間だろう」 「ノアの憎しみに取り憑かれて利用されているだけだ」
「負けてはいかん  己を救う術を探すんだ」

彼女の目から涙が流れ、「じゃあ 殺して」 という言葉だけを最後に その姿は消えてしまった。
「バカたれ…」   
「愚かだよおまえらは どいつもこいつも…」



このやり取りから漠然とですが クロスはロードを宿主以前から知る間柄というわけではないのかな…?と感じました。
(「おまえもこの世界に生まれた人間だろう」とかね… ちょっとよそよそしいような)
もちろん科学知識も含めノアの事情には最も詳しい人物なので、宿主としての苦しさを理解し その裏付けがあった上での親身な励ましというか。

逆にそれだけ、色々誤解の多い人ですが、人として肝心なところは外していない人間味に溢れる素敵なお方だなあ♡と
変な所で嬉しくなってしまいましたよ。(#^.^#)

捨て台詞の「どいつもこいつも」
ここでは、彼の頭にネア坊主の憎たらしい顔がよぎったに相違ないかと。
死んでもあきらめずに出てきて復活戦かよ…というところ。 
それに付き合ってる自分にも矛盾を感じてなお苛立っているのでしょうか。



そして、ロードの頬を両手で包むようにして瞳を見つめ 真剣に話しかけるシーン。
「ああ同じだ…」と私の頭に浮かんでいたのはここでした。
ネアは 「千年公」の中に囚われた兄の「マナ」だけに訴えます。

P1270078inyou1.jpg (25巻219夜)

普通の人間として幸せに暮らしていた故郷の記憶。 母さまにつけてもらった名前。
でも、マナを呼び戻すことはできず 最後は(千年公に)「おまえを 破壊(ころ)しに行く」と。
(救う手だてはそれしかないから)

ロードの「殺して」もまったく同じ意味なのでしょうが、どうにも切ないですよ。

しかし。
ノアの一族の中にあらかじめ“裏切り者を粛正する”役を担ったもの(第二使徒=裁)がいるということは、過去にもノアメモリーの支配を逃れた者はいたんでしょうか。
少なくとも その可能性が完全にゼロではないことを示しています。

… いっそ一族揃って離反とかしたら面白いのに()

どうにもこじれまくったこの世界、どちらかの勝敗を決めるだけではきっと悲劇は終わらないですよね。




続きは次回。


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漫画「D.Gray-man」は、2004年5月31日発売の『週刊少年ジャンプ27号(6月14日号)』で連載を開始し、2009年『少年ジャンプ22,23合併号』(第186夜)まで掲載。 以降2009年『赤マルジャンプ9月20日号」に第187夜掲載を経た後、第188夜からは同年11月発売の月刊『ジャンプSQ.2009年12月号』で連載再開。そこから2013年刊行の『SQ.2013年2月号』の第218夜までを掲載。 同年『SQ.4月号』誌上で編集部より「再開未定の一時休載」告知。 2年半の長期休載を経て、2015年7月17日発売の季刊誌『ジャンプSQ.CROWN(スクエアクラウン)』に場を移し連載が再開しました。 その後、掲載誌は2018年4月16日発売号より『SQ.RISE(スクエアライズ)』とタイトルを変えてリニューアル。現在も継続中です。 コミックスは2013年11月に24巻発売(第218夜まで収録)・2016年6月3日に25巻発売(第222夜まで)・2019年2月4日に26巻発売(第230夜まで)。      <星野桂先生のインスタグラムアカウント(@Katsura_5600)も現在元気に更新中>   
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